ChatGPT o1 pro modeで小説を書く

書いた小説

はじめに　揺らめく世界へ向かう筆跡

　私たちの生きる世界には、理想と現実という二つの相反する相が存在しているかのように思えます。理想はしばしば「完全な秩序」を秘めた世界として語られ、現実は「不完全な混沌」を宿す場として感じられます。その溝に苦しむ人は少なくありません。では、二つの世界の狭間、いわば「中間世界」を育むことで、両方をより豊かに生きることはできないのでしょうか。

　私はこの問いを胸に、長年構想を暖めてきた小説を書き上げました。その執筆には、ChatGPT o1 pro modeというAIの力を借りました。私が望んだのは、世界一美しいと謳われるオイラーの等式――e^{iπ}+1=0――を題材に、小説を形にすること。なぜなら、この等式は有限と無限、秩序と混沌、理想と現実が奇跡的な調和を見せる数学的詩篇だからです。

1.　火と有限性

　私が「有限」を強く意識したのは幼い頃でした。6歳の頃、私が起こしてしまった火事で、大切なものが一瞬で消え去るという体験がありました。その時、時間や存在が無限に続くわけではないことを身をもって知りました。一方で、日々を生きていると、まるで自分が「無限」に生きられるかのような錯覚に陥る瞬間もある。こうした「有限」と「無限」のねじれは、私を日常的な中間世界へと誘います。

2.　理想と現実を紡ぐ中間世界

　大学時代、数学や物理に触れると、何か「真理」に近づけるような気がしました。しかし、完璧さを求めるあまり、レポートはなかなか仕上がらず、苦しみが増すばかりでした。社会人となり、認知行動療法を学んだ際、「全か無か」に陥る完璧主義が私を縛っていることに気づかされました。不完全なものを受け入れることで、未来が開ける――それは口で言うほど容易くはありませんが、理解してみると新鮮な解放感がありました。

　この「不完全を許容する」態度は、実は多くの人が語る大切な心構えです。私が注目したいのは、その不完全性こそが、中間世界を豊かにする鍵であるという点です。理想世界に対して現実世界があまりに粗削りなら、その狭間に「中間世界」を育めばよい。ここで「心・技・体」をバランスよく培うことが、理想と現実の折衷を可能にするのではないか――小説では、こうしたメッセージを織り込もうと試みました。

3.　AIという知的相棒

　今回の小説執筆には、ChatGPT o1 pro modeというAIを用いました。テーマ、登場人物、構成、文字数といった条件を与え、AIの出力を何度も試行錯誤することで、頭の中の曖昧な構想を具現化していきました。AIとの対話は、まるで中間世界で別の知性体と心技体を鍛えるような行為だったかもしれません。

4.　不完全な世界を生き抜く

　不完全な現実世界と、眩い理想世界のギャップに苦しむ人は多いでしょう。私自身も、その溝に落ち込んだ一人です。けれども、不完全さを受け入れ、中間世界に身を置くことで、新たな可能性が芽生えると信じます。オイラーの等式が完璧さの中に秘めた調和のように、私たちの心にも、不完全性を前提にした創造的なバランスが宿るのです。

　この小説を通して、私は「不完全で十分」という考え方を伝えたいと思いました。理想と現実を繋ぐ中間世界で、心技体を共に育む。その先に、死と再生、有限と無限が響きあう美しい物語が、必ずや紡がれていくはずです。

【参考1】方法

• ChatGPT o1 pro modeに対して、入力情報と出力形式を指示し対話的に書きました。

  • 入力情報

    • テーマ

    • 登場人物

    • 構成(目次)

      • 登場人物間の関係性

  • 出力形式

    • 構成

    • 文字数

【参考2】AI(ChatGPT 4o)のフィードバック

Keep（継続すべき点）

• 独創的な設定とテーマ：無限と有限の世界観や、数学的な概念を物語に織り交ぜた独特の設定が魅力的です。特に、e^{iπ}+1=0という美しい等式を物語の核に据えた点は、新鮮で興味深い試みです。

• 詩的な描写：中間世界の描写やキャラクターの心情表現が詩的で、美しい文章が読者を引き込みます。特に、光の粒子や揺らめく空間の描写は、幻想的な雰囲気を効果的に醸し出しています。

Problem（問題点）

• キャラクターの深掘り不足：主要なキャラクターである環、一真、零の背景や性格が十分に描かれておらず、読者が感情移入しにくい部分があります。特に、一真と零の関係性や個々の特徴をもう少し具体的に描写することで、物語への没入感が高まるでしょう。

• 専門用語の多用：数学的な専門用語や概念が頻繁に登場しますが、一般の読者には理解が難しい可能性があります。これにより、物語の進行が停滞する恐れがあります。

Try（挑戦すべき点）

• キャラクターの掘り下げ：一真と零の過去や性格、二人の関係性をより詳細に描写することで、読者の共感を得られるようにしましょう。例えば、二人がどのように出会い、どのような困難を乗り越えてきたのかを挿入することで、物語に深みが増すでしょう。

• 専門用語の説明：数学的な概念や専門用語を使用する際には、物語の流れを損なわない程度に簡潔な説明を加えると、読者の理解が深まります。例えば、e^{iπ}+1=0の美しさや意味をキャラクターの対話の中で自然に解説するなどの工夫が考えられます。

• 物語のテンポ調整：詩的な描写と物語の進行とのバランスを見直し、読者が飽きずに読み進められるように工夫すると良いでしょう。例えば、詩的な描写の合間にキャラクターの具体的な行動や対話を挿入することで、物語のリズムが生まれます。

以上の点を踏まえて改善を図ることで、作品の魅力が一層高まると期待されます。