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ユーザーの要求とプロダクトの要件

医療機器開発における重要な2つの定義

大学院に入ってから、様々な医療機器に触れる機会が増え、興味のある機器について調べることが多くなりました。その際、必ず研究しなければならない2つの重要な概念があります。それは「ユーザーの要求定義」と「プロダクト要件定義」です。

これらを適切に調査せずにレポートを作成すると、教授陣から「これは何の課題をどのように解決しようとしているの?」という指摘を受けることになります。そこで、この2つの定義について詳しく見ていきましょう。

ユーザーの要求定義

ユーザーの要求定義とは、文字通り、医療機器のユーザー(主に医療従事者)の要求を定義することです。例えば、消化器外科医や脳神経外科医など、具体的な診療科目に応じてユーザーを特定し、その要求を明確にします。

多関節腹腔鏡鉗子(ロボットを除く)を例に挙げると、ユーザーは消化器外科医や内視鏡外科医になります。彼らの腹腔鏡手術における要求として、以下のようなものが考えられます:

  • 奥深くに到達するための細い径

  • 人間の手と同様の直感的な操作

  • 掴んだ際の触感のフィードバック

  • 手首の可動域を超える広い操作範囲

プロダクト要件定義

プロダクト要件定義は、ユーザーの要求定義を実現するための具体的な方法を記述したものです。先ほどの例を用いて説明すると:

  • 細い径:従来の8mmから5mm程度に細くする

  • 直感的な操作:操作部の動きに合わせて先端部が即座に動く

  • 触感のフィードバック:先端部にセンサーを設置し、操作部に触感を伝える

  • 広い操作範囲:先端部が360°回転する機能を実装

医療機器を研究する際は、常にこの「ユーザーの要求定義」と「プロダクト要件定義」の2つを意識してリサーチすることが重要です。特にユーザーの要求定義は非常に難しい課題ですが、これについては別の機会に詳しく取り上げたいと思います。


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