竹下さんnoteタイトル_新税率

軽減税率のレシート、どう経理処理するかイメージできていますか?

10月以降の経理処理、イメージできていますか?

10月1日からの新税率適用及び軽減税率対応に関しては、メディアで多く取り上げられて話題となりましたね。特に飲食料品を扱う業種の方々にとっては、レジシステムを入れ替えたり、従業員へ周知を行ったり、通常業務以外の対応がとても大変だったと思います。

その一方で、もうすぐ軽減税率が導入されて初めての経理処理を行う日がやってきます。「もうレジや会計ソフトの対応は終わっているし、対象範囲も理解しているから仕訳入力は問題ない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

まだ手元にレシートが無い方は想像しにくいかもしれませんが、今回の法改正後の仕訳入力はご想像よりも難易度が高くなりそうです。その要因は主に2点、「レシート表記のばらつき」と「キャッシュレスポイント還元」。

経理処理上でどの点がハードルとなりそうか、ひとつひとつ見ていきましょう。

レシートの軽減税率表記はバラバラ

ST軽減税率

上の3つのレシートを見るとわかりますが、軽減税率対応商品の記載パターンはお店によってかなりのばらつきがあります。

これは、法律では「軽減税率の対象品目である旨の記載」「税率ごとに合計した対価の額の記載」のみが決められており、細かいフォーマットは各事業者に委ねられているためです。とはいえ、これらを間違えずに一つ一つ仕訳入力していくのはかなり根気のいる作業になることが想像できます。

キャッシュレス還元による複雑化

ST軽減税率_2

さらに10月から、キャッシュレスポイント還元がスタートしました。これは中小・小規模事業者向けにキャッシュレス決済手段の導入を促す目的で行われている施策ですが、なかでも大手コンビニ等で実施されている「その場で値引きするタイプ」の還元が行われた場合、レシートの内容はさらに複雑化します。

上記のレシートをみて、どれが「最終的に支払った金額」がわかりますか? ここでは「合計」と表記された金額の後にキャッシュレス還元されているので、正解は「交通系マネー」の667円になります。

また、そもそも還元後の金額を入力するか、還元前の金額で入力+還元額を雑収入とするのかなど、仕訳方法がいくつか考えられ、会社や顧問税理士の方針にあわせて入力方法を整理する必要があります。

企業の経理担当者はどこまで準備しているのか?

実際に企業で経理を担当する方はどこまで準備をしているのでしょうか。ぼくの知り合いの経理担当者に聞いてみました。

経理Aさん:
コンビニでコーヒーひとつ買った際にも「レシートが長くなったな」とか「経費処理をする際は確認しなければならない部分が多くなるな」などといった印象を受けています。従前と同じような目視による把握では見落としによるミスが頻発することが予想されるので、レビュー人数を増やしたり、レシートのどこを見て判断したのかわかるようにマークするなどの対策を検討しています。
経理Bさん:
今までは1レシートで1行のような入力パターンが多かったが、実際に処理してみるとキャッシュレス還元や8%・10%が混ざっている場合など、2行、3行に増えるものが多くなりそうです。この制度変更が来ることはわかってはいたものの、レシート現物を見て本格的に対応が必要だなとようやく実感が湧いてきている状況です。
経理Cさん:
キャッシュレス還元自体は良いことだが、キャッシュレス還元前の金額で精算するのか、還元後の金額で精算するのか、といった基本的なところや、キャッシュレス部分の税区分をどうするのかなど、チェックポイントが非常に増えた印象。
経理Dさん:
期末の消費税申告書の作成に向けて、請求書処理の際に、経過措置等による8%なのか、軽減税率による8%なのか、厳密に税区分を分ける必要があるので、実際に処理をしてみると本当に煩雑だなと感じている。

まとめると、
- レシート1枚ごとの項目が多く確認することが増える
    →ミスが発生しそうなのでレビュー人員を増やさなければならない
- 複数の税率が存在すると仕訳自体が増える
    →入力工数が増える
- キャッシュレス還元をどう反映させるかの判断が難しい
- 請求書の「8%」が、軽減税率なのか経過措置なのかどちらか判断に迷う
といった点で、一人あたりの作業量が増えてしまったり、業務フローの見直しが必要となったりしている模様です。

ぼくたちクラビス社が提供している記帳自動化サービス「STREAMED」は、このような状況に対し以下のような対応を行っております。

1. 標準税率10%・軽減税率への対応
2. キャッシュレス還元への対応
3. 請求書における税率判定の対応

レシート入力にSTREAMEDを利用することで、今回生じている手入力の工数とヒューマンエラーを限りなく少なくすることができます。

各仕様について、この後もう少し詳しく説明していきます。

STREAMEDの基本的な仕様についてはこちら

STREAMEDのアップデート内容

(1)標準税率10%・軽減税率8%への対応
まず、新しい区分として標準税率10%を追加しています。その上で、
- 2019年10月1日以降
- 軽減税率が含まれている
- 税率ごとの金額が判断できる
という条件のレシートは、複合仕訳でそれぞれの税率に合わせた金額が入力されます。

▼8%、10%の税込金額が記載されているレシートの場合

STレシート_1

▼8%、10%の税別金額と税額が記載されているレシートの場合

STレシート_2

(2)キャッシュレス還元への対応
次に、キャッシュレス還元が含まれるレシートの場合についてです。

キャッシュレス還元後の金額で仕訳を作成する場合は、
- 税率ごとの還元額を記載している場合 → それぞれ還元額を引いた額で仕訳作成
- 税率ごとの還元額が記載されていない場合 → 税率の高い方(10%>8%>非課税)から還元額を引いて仕訳作成
という形で対応しています。

▼税率ごとの還元額を記載している場合

STレシート_3

▼税率ごとの還元額が記載されていない場合

STレシート_5

キャッシュレス還元額を雑収入として仕訳作成する場合、調整仕訳として出力したい方向けの機能を11月中目処にリリース予定です。

キャッシュレス還元額を仕訳上どのように処理するのかは専門家間でも議論がわかれていますが、現時点でいずれの形にも対応できるような機能を準備しています。

▼還元額を雑収入として仕訳作成を行う場合

STレシート_6

(3)請求書における税率判定への対応
請求書は発行日を基準にし、
- 発行日が10月1日以降
- 税率ごとの金額が判断できる

の請求書に関しては、複合仕訳にてそれぞれの税率に合わせて金額を入力します。請求書は内容から軽減措置の8%か軽減税率の8%かの判断が困難なため、8%が含まれる場合にアラートがあがる仕様になっています。アラートを認識しましたら、個別に税区分の設定をお願い致します。

ST請求書

アップデート後もお値段はそのままです!

10月の増税・軽減税率導入のタイミングに合わせて、サービス機能・入力オペレーションともにアップデートを行ってきましたが、利用料は変わらずそのままの価格でご利用いただけます。1枚のレシートで複数の仕訳になっても、1仕訳分の料金です。

利用料金につきましては、会計事務所様・一般企業様・個人事業主様でプランと価格が異なります。詳しくはSTREAMEDサイトにてご確認ください。

STREAMEDを導入したとして、何もかもが一瞬に解決する……というわけでは正直ありません。特に最初のうちは、二重チェックをする必要はどんな会社でも生じてくるでしょう。

それでも、ひとまず入力の工数を省くことでチェックに注力することができます。サービスで解決できる部分から少しずつ頼っていくことで、全体の負担を少しでも軽減していただければと思います。ぜひこの機会にご活用ください。

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