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サービスの磨き方に関する考察

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界各地で猛威を奮う中、自社のサービスを見つめ直し、改善を行い続けたいと思っている方も多いかと思います。
当たり前ですが、今まで提供してきたことが以前と変わらず通用し続けることはなく、日々改善を行い続けないといけません。

私たちは、ベトナムの大卒理系エンジニアを主に地方の製造業に採用頂くサービスを提供しています。事業を開始して3年が終わり、2020年4月7日に4期目がスタートしました。

このCOVID-19の状況下で採用頂いた企業の皆様から頂いた言葉はとても有り難く、とても励みになっています。

今回の記事では、サービスの磨き方、組織設計、サービス提供を行う側に必要な意識を共有できればと思います。
B to B向けでかつ海外も絡む特殊な事業ですが、他の業種業界でも生かせるところがあれば幸いです。

<目次>

・きっかけ(お客様から頂いた言葉)
・サービスを磨くとは?
・具体的な改善点(今までのサービスからの改善点)
  ①全ての工程をハンドリング可能な状況に持っていく
  ②情報共有の鮮度・透明性・スピード・付加情報に留意すること
  ③顧客が不安に感じやすい部分をフォローし、選択肢を用意すること
・当社事例
・サービス改良を行う上での必要な組織のあり方
・サービス提供を行う側に必要な意識
・まとめ

<お客様から頂いた言葉>

COVID-19の状況下で、現社員の給与を下げないといけない状態なのに、新規に採用をして良いのかをギリギリまで悩んでいた。こんな時期に人の雇用を検討すること自体、経営者として自分はどうなのかを考えた。今回、ベトナムの方々の採用面接をして、内定を出した方が涙を流して喜んでくれた姿を見て、元気が出たし頑張らないといけないと改めて思えた。サービスを提供してくれたOne Terraceの皆さんの努力やギリギリまで悩んだ私へのフォローもあり、採用を承諾してくれた彼らを見て涙が出た。ここまでして私の会社で頑張りたいという方が国を超えて思ってくれたことは感動でした。今後厳しい時代が来ても彼らと共に頑張っていけると確信した。

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※内定が出た際の候補者(真ん中)の写真と当社ベトナムのメンバー(inベトナム)

上記のような言葉を頂いたことは、今まで諦めずにやってきて良かったと思えたことと、事業をする上での最大の喜びであると思いました。
正直、今までサービス提供の中で失敗をしたことやお客様の期待に超えられなかったことがあり、本当に申し訳なく、その都度改善を行っていき、今も常に行っていますが、少しずつ形になってきました。

<そもそもサービスを磨くとはどう言うことか?>

サービスを磨くとは、「今までのサービス提供をよりお客様に喜んでいただけるように改善すること」だと思いますが、これはサービスを提供するお客様がそのサービスを享受することで何かしら成功体験を得ることや幸せを感じること、つまりカスタマーサクセスをより高めることです。

今は「モノ」消費から「コト」消費と言われており、「モノ」だけでなく、購入する〜商品が届き、消費するまでの一連の行いに対して「サービス」を受けることで得られる「コト」にメリットを感じてお金を出すと言われています。またその際に、想像を超えた「コト」を提供されることで人は感動します。

例えば、人財領域では、紹介をする「人」だけで企業に感動してもらうことは難しいです。なぜなら、我々が何かサービスを受けて「感動する」とは、そのサービスの提供者の想いや内容が想像を超えた場合や、提供者の想いや背景を理解できた場合だからです。つまり、人財領域の場合、サービスの提供者と紹介する「人」が揃うことで相手に価値を提供するので、人財領域は「感動を生み出す機会」が多いと思っています。

ただし、「人」と関わる私たちの事業の場合は、サービスの中に、コントロール(ハンドリング)ができる部分とそうでない部分の両方があり、サービス提供を淀み無く行うためには、いかにハンドリングできない所を少なくするかが重要です。

<今までのサービスからの改善点>

当たり前のことを如何に丁寧に一つ一つ行っていくことに加え、当社は下記3つの観点でサービスを改善しました。

① 全ての工程をハンドリング可能な状況に持っていく
② 情報共有の鮮度・透明性・スピード・付加情報に留意すること
③ 顧客が不安に感じやすい部分をフォローし、選択肢を用意すること

<当社の事例>

今まではWebマーケティングを駆使して候補者を集めてきましたが、海外領域ではなかなか上手くいきません。紹介会社の役割とは、単に情報発信するのではなく、相手に付加価値も提供する必要があると思っています。付加価値を提供するために、当社は日本語教育を実施することを始めました。

丁寧にサービスを提供していくには、サービス提供に淀み(自信がない部分)を如何に減らすかが大切です。サービス提供に自信を持つことはどの業界でも同じだと思います。

例で言うと以下になります。

◾️候補者募集・対応


日本語教育・集客・面談含めて全て自前で行うこと

今までは候補者募集に関して、現地パートナー企業へ協力を仰いでいました。その際に信頼できないパートナーの場合だと候補者と何かしらの契約を既に巻いていたりするため、ハンドリングができない部分が多いです。従い、なるべく自社で日本語教育・集客・面談までを行うようにしました。そうすることで、全ての工程が自社でハンドリングできるようになります。(①「全ての工程をハンドリング可能な状況に持っていく」に通ずる部分)

日本国内で採用を行う場合、企業自ら情報発信をして候補者を集めることが可能ですが、海外はマーケティングが異なる為、私たちのような人材紹介会社が行うことに意味があると思っています。海外でしっかりと企業の魅力を伝えるためには、企業の持つ情報を単に求人票のようなものだけではなく、社長や役員含めた「人」の考え方を含めて、鮮度高く、透明性を持って候補者に伝えることが重要です。
(②「情報共有の鮮度・透明性・スピード・付加情報に留意すること」に通ずる部分)

◾️企業対応

顧客が不安に感じやすい部分をフォローし、選択肢を用意すること

◎資料提供
・提案書
・初めての外国人採用マニュアル
・ベトナム人採用に関するマニュアル

◎追加サービス(お客様の要望をもとに加えたサービス)
・在留資格申請・管理サービス
・オンライン日本語サービス
・外国人社員向け受入研修・マネージャー向け受入研修
・入国後の無料相談窓口の設置(ベトナム人向け)

◎他社連携サービス
・航空券・ホテル手配
・外国人向け住宅・携帯手配
・助成金申請

もちろん自社だけでは難しいところは専門家にお願いしています。その場合も情報の連携方法には留意して行っています。

それ以外もお客様に必要だと思われるところの中で肝になる部分(直接的な満足度)は自社で行うようにしています。各サービスの提供をなるべく自社だけで行うことで、情報共有がスムーズになり、外部サービス連携よりも改善のスピードを高めることができると思っています。

<必要な組織のあり方>


サービスの改善は絶えずし続ける必要があります。そのためには、顧客からのフィードバックをもらい、サービスを提供している担当者がサービスを改善する状況下に常に身を置くことが一番重要です。
通常の組織構造はピラミッド型だと思いますが、私たちの会社では、最前線にいる担当者が改善を行いやすい体制作りをしています。
そのために、自分たちでは決められないこと、予算の有無によって解決できることを先に伝えてもらうようにして、予算を提供したり、決定を早める組織体系を行っています。

<サービス提供を行う側に必要な意識>

例えば、営業がお客様に接する際に、サービスに対する自信が無いと上手く伝えることはできません。違和感やお客様からのフィードバックを改善することで自信を持って薦めることができます。また同時に、サービスを提供する際には、お客様の目線に立って、そのサービスを提供することで、相手にどのような変化があるのかを具体的にイメージする必要があります。これらはお客様の課題解決のためにはもちろん必要ですが、それだけでなく、“私たちは社会的な課題を解決している”という使命感を持ってお客様と向き合うことも大切です。

例えば、当社の場合は、ベトナムにいて日本で活躍したいエンジニアがいるが、日本に行く際に、ブローカーにお金を払わないといきづらい、正しい情報があまり無いなどの課題がありました。
また企業側でも日本人の優秀な機械・電気エンジニアの採用ができず、このままでは日本の物づくりが継続・発展できないのではという課題がありました。
最前線にいる担当者は、この2つの課題を解決するという使命感を感じながらお客様にサービスを提供しています。

<まとめ>


まだまだ至らない所はありますが、当社は創業以来多くのお客様からのフィードバックを元に改良を続けています。

また今人々が持つ不安は本当に計り知れないものであり、コントロールが出来ないですが、少しでもハンドリングするべく、上記の3つの観点で「サービスを磨く」きっかけとしてお役に立てれば幸いです。

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