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学生は最強の肩書きだ!使わんでどうする?

最近学生さんの元気がないように思います。
ちょっと小うるさいかも知れないですけど、気になったので記事に起こすことにしました。

まず、これを強調しておきたいのですが、

学生とは最強の肩書きです。

これ、本当です。「xx大学の学生なんですが……」とか、「xx高校の学生なんですが……」と名乗れば大概はフリーパス、どんな人にも会える可能性がぐんと高まります。

これ、社会人だとできないんですよね。「xx社のooと申しますが……」なんて名乗ったところで売り込みにしか聞こえない。また、肩書きなしで成人が連絡してきたらもっと不審に思われます。唯一の例外がたぶん作家なんですけど、これにしたって限界があります。

そう言われてもピンと来ない? じゃあ、何点か事例を挙げます。ケーススタディってやつです。

ケース1:大学生が三木武夫さん(故人)に会った話

これは僕の話ではないのですが、僕の大学の時の先輩が急に思い立って三木武夫大臣に会いに行ったことがあります。1980年頃の話かなあ。議員会館かどっかに電話をかけてちゃんとアポを取って会ったようなのですが、三木さんも面白がってちゃんと議論に付き合ってくれたと言っていました。確か、3時間くらい議論したって言っていなかったかな。
こんなこと、学生じゃないとできません。

ケース2:高校生がアニメスタジオに遊びに行った話

これは僕の話です。
1982年にアニメの「超時空要塞マクロス」の放送が始まりました。これの第一回を観て心酔した僕たちはすぐに「作っている人たちに会ってみたい!」ということで意気投合しました。
ところが「作っている人に会いたい」はいいですけど、どこに行けばいいのかがわかりません。
僕は少し考えてから、ビデオを見返してエンドロールから制作スタジオの名前(アートランド)を割り出しました。
当時はおおらかな時代でしたからあとは簡単。校門の前にあった電話ボックスに備え付けられていた電話帳を使ってアートランドの電話番号を調べ、即電話しました。
たぶん、電話口に出た人は当時マクロスの監督をなさっていた石黒昇監督(故人)だったと思います。
ともあれ、僕は礼儀正しく「僕はxx学園高校の学生の蒲生と申しますが」と名乗った上で、マクロスというアニメは今まで観たアニメの中では一番面白い、ついては作っている人に会ってみたいと申し出たところ、石黒さんはそれが面白かったのか
「いいよ、遊びにおいで」
と快諾してくれました。
結局それで3回くらいスタジオにお邪魔したかなあ? 作画監督だった美樹本晴彦さんにも会ったし、板野サーカスで有名なアニメーターの板野一郎さんにも戦闘機のドッグファイトについて色々教えてもらったし、もちろん石黒監督にも、それからメカデザインの河森正治さんにも会いました。

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これも学生じゃないとできないです。
今でもたぶん学生なら通用するので、学生諸君はダメ元で面会を申し込んでみてください。
もちろんテレビタレントとかは無理ですけど、そうでなければ(たとえば作家さんとか、文化人とか)会ってくれると思います。

ケース3:イラク日本人人質事件に差し入れしてみた

どういう訳だか判らないのですが、大きな事件が起きると必ず僕の大学の卒業生が巻き込まれます。例えばニューヨークのツインタワーが倒壊した時の犠牲者にも僕の大学の卒業生がいましたし、御巣鷹山に墜落したジャンボジェットの犠牲者の方の中にも僕の大学の卒業生がいらっしゃいます。
そして、僕が在学していたときに勃発したイラク日本人人質事件の人質にもやっぱり僕の大学の卒業が混じっていました。

当時学内新聞サークルの部長だった僕は早速その人に差し入れをしようと目論みました。送るものはやっぱり日本食がよかろうということで、大学OBGのツテをたどったところ日清の広報部にOGがいることが判明。趣旨を説明したら面白がってすぐに「ごんぶと」を6ケース(12x6、72食)送ってくれました。

苦労したのは日本からイラクへの輸送手段です。
何しろ戦争している訳ですから、最初に打診した日本赤十字は散々揉めた末に結局ダメ。次に紹介されたのが赤新月でしたが、こっちもNG。

さらにイスラム系の団体にも当たってみましたが、どこも紛争地帯に行くことには腰が引けるようで引き受けてくれませんでした。
ちなみにイラクに行くと息巻いていたアントニオ猪木(当時は議員だった)にも当たりましたが、これも不発。
この経過はすべて学内新聞に記事として毎週掲載され、読者(僕のサークルの新聞は結構OGBにも読者が多いのです)は結構楽しんでいたようです。
そんなところで思わぬところから助けの手が。
三井商事にもうちの大学の卒業生はたくさん在籍しているのですが、なんとその三井商事が戦争しているど真ん中のイラクにこれから荷物を運ぶというのです。で、ついでなので僕たちのごんぶとを一緒に積んでイラクに飛んでくれると助け舟を出してくれました。
さすがジャパニーズ・ビジネスマン。赤十字すら行かないところにも日本の商社はちゃんと行くらしい。
結局僕たちのうどんは無事に人質になっていたうちの大学のOBの手に渡り、僕は帰国してきたその人と再開?(会ったことがない先輩だったけど)を果たすことができました。

どうですか? この破壊力。

諸君。学生の諸君。
学生諸君もぜひ、学生でいられるあいだに学生という肩書きを濫用してください。無茶は学生の特権です。もちろん犯罪方面に向かうのは論外ですが、そうでない限りは学生であるという立場を上手に使って、ぜひ貴重な経験を積んで欲しいと切に思います。

保守的にコンパクトにまとまるのも結構ですが、少し無茶する学生さんの方がきっと将来面白い人物になりますよ。


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