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脱サラのこと

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消防を辞める数年前から「脱サラ計画」を立て、脱サラ後には講演活動をやっています。脱サラを実行する前は、経済的なことや、新たな仕事への不安などもあり、葛藤がありました。その頃の迷い… もっと読む
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やりたいことを1ミリもやらずに生きている

22歳で消防局に就職し、32年間勤務した。 その間、何度も脱サラを考え、夢見た。 20代も、30代も40代も、何度か脱サラ願望をいだき、ようやく決行したのは50代になってからだった。 消防士という職業を、低く見ていたというわけではない。 しかし、業務の重要性と自分の生きがいとは、必ずしも一致するわけではない。 俺は生きているのか?30代だった頃のある日、真夏の暑い昼下がりの勤務日、救助訓練を行った。 恒例行事で、とくに変化があったわけでもない変哲のない一日。 救助側だけ

残りの人生で何をやろうかと悩んだ結果

消防局を退職して今の仕事を選んでから、仕事のことを考えることが、一番の楽しみになりました。サラリーマン時代には感じられなかったことです。 願望はあったものの、弱気になって、つきつめて考えようとしなかった「残りの人生で一番やりたいことはなんだろう?」という自分への質問。 やりたいことはあるけどムリだよなぁ、と何度も結論をひるがえしてきましたが、決断して「やっぱりこれでよかった」と思っています。 学ばなければならないことは山ほどあり、勉強はエンドレスでやらなくてはならないの

仕事を辞めてから気づいた多くのこと

「このまま俺の人生は終ってしまうんだろうか」 毎日毎日、そんなことを考えていた時期がありました。 まだ20代の若手の消防士だった頃のことです。 消防局在職中に、そんな思いを同僚に話しでもしたら、 「使命感から消防官を目指したのではないのか!」 「お前、どんなつもり仕事してんだよ!」 「イヤなら辞めちまえ。代わりはいくらでもいるからな」 そう言われることはわかっていたので、口にすることはありませんでした。 一番つらかったのは、小学校などに訓練指導や防火講話などで行ったと

小学生のように素直に学びたい

「よおし、脱サラして個人事業主としてがんばるぞ!」 と、脱サラする前後に、いろんなセミナーを受講しました。 けっこう出費もしましたし、時間も費やしました。 その結果はどうかというと、受講料の元をとるどころか、何倍もの収穫が得られたと感じられるものや、ドブに捨てたなと思うものもありました。 何年も経過してみると、いまさらながら「なんであんなの受講したんだろう」と思うものもあれば、自分自身がちゃんと学んで実践していなかったと、大いに反省するものもあります。 どんないい内容で

イヤなお酒とさようなら【脱サラしてよかったことのひとつ】

脱サラして10年たちますが、 脱サラしてよかったことは何か? と考えてみますと、 いくつもあるんですが、その中のひとつに 嫌な酒席で飲まなくてもいい ということがあります。 これだけでも脱サラして本当によかった、と涙目の笑顔でバンザイしたいくらいの気持ちです。 わたくしは、お酒好きで、人間ドックで胃カメラを飲む前日を除いて、ほぼ毎日晩酌をしています。 そんな私でも、 「もう飲み会はかんべんしてくれ!」 と思う日々を送っていました。 今はずいぶん改善されたことと思いま

人生の転機について話した授業

「脱サラして今の仕事をやろうと思ったきっかけは何だったんですか?」 今年の1月、鳥取盲学校さんからのご依頼で、オンラインでの特別授業の講師を務めたとき、事前にいただいた質問でした。 あらためて10年前の脱サラ前後のことを思い出してみました。 消防現場での体験 妻の病気 職場の先輩の死 自分の夢 それらに対する思いすべてがいっしょになった結果だったように思います。 「自分の夢」以外は、どれもネガティブな事柄ばかりのようですが、それらが自分の身に関わってこなかったら「自分

かなわなくても夢を追いかけたい

脱サラする前、読んだ本でよく目にした、聞いた講演でよく耳にした言葉がありました。 「夢はかなうためにある」 聞いたことありますよね? たくさんの方がいってきた言葉です。 でも現実は、夢をかなえられなかった人がたくさんいます。 「やってやってやり抜け!」 「すでに夢が実現したようにイメージしろ!」 そんな言葉に励まされてがんばっても夢をかなえられなかった人もいれば、夢なんかなくても充実した毎日を過ごしている人もいます。 夢がかなえられなかったために、夢見たことを後悔する

noterさんは脱サラへの関心が薄い?

今朝、自分のダッシュボードを見てみました。 スキ数がひと桁しかいってないnoteをはじめた頃の記事の中に、脱サラネタの記事もありました。 note記事で「脱サラ」で検索してみても、タイトルに「脱サラ」がつく記事は意外に少ないんですね。 noterさんはフリーランスの方が多いので、脱サラにはあまり興味ないのかなぁと思っていました。 ダッシュボードもめったに見ないのですが、「全期間」で見てみると脱サラネタの記事がトップに表示されるので、なぜなのかなぁ、と不思議に思っていました

40代の迷いは大切

40代は、自分の生き方に違和感をおぼえるようになった時期でした。 私だけなのかと思っていたら、悩みに悩んだのが40代だという後輩や友人が多いんですね。 確かに、私の友人は40代で脱サラした人が多いようです。 40代は人生の折り返し地点 なんて言葉を聞くこともありますから、そういう年ごろなのかもしれませんね。 その折り返し地点を、順調にとおり過ぎて、ますますやる気満々の人と 「自分はこのままの生き方で年老いてしまっていいのだろうか?」と疑問を持ったり、 急に生きることが虚

そうか、自由になるのが怖かったのか

消防士だった頃、毎日毎日、自由になりたいと思っていました。 階級制度があり、規律にうるさく、 公務員だからと、市民から批判されないように厳しくいわれ しかも、ほかの公務員職と段違いに封建的だったので、私に限らず、多くの署員が思っていたはずです。 もちろん、消防の仕事はやりがいもあり、達成感を感じられることもありました。 楽しい思い出もたくさんあります。 それでも、自由に焦がれる気持ちはなくなりませんでした。 それくらい自由を求めていたのに、ある日みた夢で 自由になりた

脱サラ相談を受けたこと

私が脱サラしたのは50代になってからという、世間的には、 「そりゃあ遅すぎるやろ!」 とツッコまれそうなパターンでした。 「消防は公務員だから食いっぱぐれがない安定職じゃないか。 辞めるなんてバカなことしたなあ」 と、近所の公務員のおじさんにツッコまれたことがありました。 「はい、大きなお世話です」 と笑顔でいいかえしたら、その後の発言はありませんでした。 消防士をやっていた頃の後輩の何人かは脱サラ願望を持っていて、うちに相談にやってきたことがあります。 私のホームペ

脱サラしてよかったこと4つ(公務員はなおさら)

今やっている仕事が嫌で辞める決心をすると、さすがに無職ではいられないので、次の選択肢は転職するか、独立起業するかのどちらかです。 私の場合、最初から転職する意思はなかったので、ひとり起業をはじめました。 仕事を辞めてよかったこともあれば、「いやあ、これはちょっとマズかった」ということもあります。 それでも「辞めなければよかった」と思ったことは、ただの一度もありません。 じゃあ何がよかったのかを、一度整理してみようと思います。 転職経験者も、脱サラ独立経験者も、そんなに

脱サラ計画を知った同僚の反応

消防士を辞める一年前を過ぎてから、 「辞めるんだって?」 と、同僚に聞かれるようになりました。 民間企業のサラリーマンだったら、退職が決まったあとに勤務するってどんな感じなんだろうなあ 自分が辞める前に、そんなことを何度か考えました。 どんなふうに振る舞えばいいんだろうか、と思案することがしばしばありました。 辞める前には現場を離れ、事務仕事をしていたのですが、申請書類の審査をしながら、 「来年の今頃はもうこういう書類を見ることもないんだなあ」 と不思議な気持ちになりま

「どうして消防士を辞めたんですか?」と聞かれて

講演を仕事にしていて、いろんな場所に行って話します。 多くの場合、講演の終了後に質疑応答コーナーが設定されています。 テーマに沿った質問もあれば、まったく関係ない質問を受けることもあります。 「どうして消防士を辞めたんですか?」 という質問も、たまに受けることがあります。 その質問を受けると、自然と遠くを見るような目になってしまいます。 「はいわかりました。じゃ消防士を辞めた理由について話しますので、時間をあと40分ほど延長します」 なんてことは言えないので、なんとか