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第1話: 課金沼からの脱出?! ~サンクコストってなんだ?~


ストーリー
大学生の翔太は、最近ハマっているスマホゲーム「ファンタジーレジェンド」に夢中だった。
レアキャラを手に入れるために、ガチャに課金する日々。
「あと1回引けば、SSRが出るかも…!」
そんな期待を胸に、ついつい課金してしまう。
しかし、現実はそう甘くはない。
レアキャラは一向に出ず、気づけば課金額は5万円を超えていた。
「さすがにヤバい…」
翔太は焦りを感じながらも、ゲームを止められない。
「だって、ここまで課金したんだし…もったいない。」
そんな気持ちから、ずるずると課金を続けてしまう翔太。
彼はサンクコストの沼に、はまり込んでいたのだ。
ある日、翔太は大学の先輩である理沙に、ゲームに課金しすぎて困っていることを相談する。
理沙は経済学を専攻しており、サンクコストについてよく知っていた。
「翔太くん、それはサンクコストに縛られてるんだよ。」
理沙からサンクコストについて詳しく説明を受けた翔太は、自分の行動を客観的に見ることができるようになる。
そして、ついに「ファンタジーレジェンド」をアンインストールすることを決意する。
「ゲームに費やしたお金は戻ってこないけど、これ以上無駄にするのはやめよう。」
翔太は、サンクコストの呪縛から解放され、未来に向かって歩き始めたのだった。

解説
サンクコストとは?
サンクコストとは、過去に支払った費用で、現在や未来の意思決定において考慮すべきではない費用のこと。
埋没費用とも呼ばれます。
一度支払ってしまったら、もう戻ってこないお金や時間、労力などがサンクコストにあたります。
サンクコストバイアスとは?
サンクコストバイアスとは、サンクコストにとらわれてしまい、非合理的な判断をしてしまう心理的な傾向のこと。

例えば、
* 壊れた家電を「もったいない」という理由で、修理して使い続けてしまう。
* つまらない映画を「せっかくお金を払ったから」と最後まで見てしまう。
* 相性が悪い恋人との関係を「これまで費やした時間がもったいない」と続けてしまう。
などがあげられます。

サンクコストバイアスに陥らないためには?
* サンクコストは無視する
* 未来に目を向ける
* 機会費用を考える
などが重要です。
翔太の場合は、ゲームに費やしたお金はサンクコストであり、未来の意思決定(ゲームを続けるかやめるか)に影響を与えるべきではありません。
ゲームを続けることで、さらに時間とお金を無駄にしてしまう可能性があります。
また、ゲームを止めることで、その時間を他の有益なことに使うことができます。
これが機会費用という考え方です。
日常生活におけるサンクコスト
サンクコストは、日常生活の様々な場面で影響を与えています。

例えば、
* 古い服を捨てられない
* 読まない本を処分できない
* 行きたくない飲み会に参加してしまう
なども、サンクコストバイアスによるものかもしれません。

まとめ
サンクコストバイアスは、誰にでも起こりうる心理的な罠です。
サンクコストにとらわれず、合理的な判断をするためには、未来に目を向け、機会費用を考えることが重要です。

次回予告
第2話では、「壊れた家電と執着 - 所有効果とサンクコスト」について解説します。
お楽しみに!

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