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こんにちは!
このnoteを書いている今は梅雨の真っ最中。
雨の日はのんびり室内でテレビを見るのも、楽しいですね。
最近、僕がはまっている番組が、「マイケル・サンデルの白熱教室」です。

2010年に、日本では『これから「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』という、ハーバード大学教授、マイケル・サンデル氏の書籍がベストセラーになりました。
これは、マイケル・サンデル教授自身の専門である政治哲学の授業「Justice(正義)」を書籍化したもの。彼の授業は、毎回、1,000人以上の学生たちが参加するほど人気だったことから一般公開され、日本では2010年にNHK教育テレビで放送されて、大きな反響を呼びました。

■“マイケル・サンデルの白熱教室”が面白い

僕は理系なので、哲学は得意とは言えませんが、
日々の生活のなかで、「そういえば、これはどうなんだろう?」
といった疑問について深く考えることが好きです。
そんな僕の好奇心に応えてくれるのが、白熱教室なのです。
この授業をDVD化した「ハーバード白熱教室JUSTICE」を購入し、
何度も見直していましたのですが、これが実に面白いのです。

サンデル教授の講義には、パワーポイントもホワイトボードもありません。
彼の講義は、一方的に講師が学生たちに話をする講義形式ではなく、
彼がぐるぐると壇上を歩き回り、生徒たちに次々と質問を投げかけ、
挙手した生徒と対話しながら進行する対話型講義です。

受講生たちは能動的に授業に参画し、
対話のなかから自然と気づきや学びを促して、
見事に難解な哲学の議論の渦に導かれていきます。

講義の内容は「正義とは何か」。
日常生活に見出される正義をコンセプトに、
様々な問題を多角的に捉えて、教授と生徒が一体になって考えていきます。

僕が特に面白いと感じるのが、「正義」という難しいテーマでありながらも、
単なる理論を解説するのではなく、教授が次々と身近な具体例を繰り出すところです。

例えば、「ブレーキが故障して止まらなくなった路面電車の線路上にいる5人を助けるために、ハンドルを切って隣の線路にいる1人を殺すのは正義か?」
「跨線橋から太った男性を突き落せば路面電車が止まり5人は助かるが、それは正義か?」など。
実際にはこのようなことは起こらないと思いますが、
現実感のある設定なので、自分事として捉えやすく、引き込まれます。

サンデル教授のファシリテーションぶりも興味深いのですが、
受講生たちが正解を導きだすのではなく、
サンデル教授が、議論のなかから論点を見出して思考するプロセスを提示していくところが、とてもユニークなのです。

■2022年からの「マイケル・サンデルの白熱教室」

昨年(2022年)から、新たに「マイケル・サンデルの白熱教室」の放送が始まったので、楽しく視聴しています。
スタジオにいるマイケル・サンデル教授と日本・アメリカ・中国の名門大学に通う学生たちをオンラインでつなぎ、国家の役割や民主主義、ジェンダーなど、バトルになるような内容をディスカッションし、ロジックで進めていく授業で、これがとても面白いのです。

例えば、「今の中国は幸せか」という問いに
日本人は、「中国の共同富裕政策は、政府の介入が強すぎる」という意見があるのに対して、中国人は「政府は豊かな経済を目指してやってくれている」「ゼロコロナのような理不尽に見えるような政策も、自分たちを守るためにある」と反論します。

また、「政府を信じていますか?」というマイケルの問いに、
中国人のほとんどが手をあげましたが、日本人は0人、アメリカ人は1人。
発展途上にある国は政府を信頼していますが、ある程度大国になり満たされると不満を持つようになるという、人間のプロセスを見るようで面白いと思いました。

これは、例えば男女関係においても同じことが言える気がします。
「好き好き」と言っている間はいいけれど、満たされてしまうと不満が出てくるところは、似ていますよね?
国といっても人の集団であり、何事も、結果的には人と人の信頼関係によって成り立つものなのかもしれませんね。

「マイケル・サンデルの白熱教室」は、NHKオンデマンドで視聴可能なので、興味がある方は、ぜひご覧ください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございます!

実は、マイケル・サンデル教授は、2010年、東京大学とアカデミーヒルズ(六本木ヒルズ)でも講義を行ったようです。
その内容もなかなか楽しい。
 
「ダフ屋」という商売は許せるけれど、医療への優先的なアクセスをお金で取引するのは抵抗があるのはなぜか。
多額の寄付をして大学に入学させる行為は正しいか。
ほかにも、デザイナーベイビーや遺伝子操作による知能強化など、内容はバラエティーに富んでいます。
 
自分が信じるものが果たして本当に正しいのかを問い、
自分の考えを、あえて批判的に見つめることで、
新しい価値観や評価を知るきっかけにもなるのが「白熱教室」です。
興味がある人はぜひご覧ください!

次回は、5月に開催された日本美容外科学会のレポートです!
お楽しみに。

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