LensCultureでのシリーズについて
Model : Oto Takeuchi
昨年のレンズカルチャーのストリートコンペ、これは一つの賭けだった。
というのも、通常キャンディッドとセットアップショット(ここではポートレート)はまず組み合わせない。
過去にこの組み合わせで提出して殆どのコンペでは通用しなかった。
それでもあえてこの組み合わせでいこうと思ったのは、昨年撮影していたものの殆どがこの二つのジャンルで、ともに東京、渋谷の自分なりの解釈として成立すると思ったから。
Model:Carin
なのでタブーを犯してでもキャンディッドとセットアップを織り交ぜて、自身が提示したいテーマがどこまで通用するのか勝負してみたかった。
結果としては、なんとか三年連続でファイナリストとしてインできたのでほっとした。
三年連続で選出されたのは多分自分だけのはず。
相当苦しい勝負だったのだけど、理由は過去インした写真が使えず、本当に一年間で撮影した写真、あるいは過去に自身が採用しなかった写真で臨まねばならなかったから。
このシリーズでいこうと思った理由は二つあって、一つはポートレートで強い写真が何枚もあったこと。
Model:Natsuca
もう一つは、自身のマンネリとの闘い。
後者については、誰もがそうだと思うけど、写真は同じテーマで撮れば撮るほどつまらなくなってくる。つまり過去作を超えられない、もしくはせいぜい並ぶ程度で、なかなかそれ以上のものというのは出てこない。
ここをどう打開していくのか。
これが昨年は大きく問われる年でもあった。
そこでじゃあミックスであらたな視点から問うてみようという苦肉の策。
これが奏功した時は本当に安堵したのと、撮り続けるとはなんと難しいことかと痛感した。
お陰様でこのシリーズ、それに10枚をあらたに付け加えたものが大きくフィーチャーされ、幸運にも昨年もっとも読まれた10記事の一つにもなった。
LensCultureでフィーチャーされているシリーズはこちら
さらにいうと、今でも「今週のトレンド」に食い込んでいる。(今日現在)
面白いもので、上位受賞者のフィーチャーはすぐに消えていくのにファイナル止まりだった自分のシリーズがこうしてずっと食い込んでいるのはなかなかシュール。
さてここまではこれでよいとして今後どうしていくのか。
一つは写真集はこのシリーズを中心としたものにシフトしていく方針。
なので自身でのセレクトやら並びがまだ決まっておらず、先方から呼び出しが来る前にはなんとか整理しておきたい。
もう一つはやはりここを基軸に撮影は続けていくけれど、それでもまた大いなるマンネリズムとの闘いになることは必至。
写真家は誰だってそのことで格闘している。
表現し続けることとはなんと難しいことか。
写真集で一度きれいさっぱり吐き出して、またゼロスタートとしていくつもり。
もう出版社のWebには掲載されてるしアマゾンでも予約受付しているのだけど、打ち合わせがまだというこの事態。
SteidlのWebサイトはこちら
最近出たDVDドキュメント、それから以前からあるDVDドキュメント(邦題 世界一美しい本を作る男)この二枚をあらたに取り寄せ、ただいま予習中なのだけど、これちょっとやそっとじゃ出版できない。
ただこれが今年の最大の目標なので、ここに注力して活動していきたい。
そのため渡独に備え来月バイトは一回しか入れておらず、また延期になると本当に手痛いのだけど。
とにかくやれるだけのことはやるだけ。
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