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中国ではママだってMBAを取っている

そうして、上海ニューヨーク大学の英語コースに週1回通い始めた私。

クラスは初級、中級、上級の中から、中級を選んでいました。それまで英語で仕事をしたこともなく、ちゃんとした留学経験もなく、いわゆる純ジャパだったのですが、TOEICのスコアは日本人では恐らくそれなりのスコアになる875点を持っていたので、とりあえず「中級」クラスを選びました。

わが英語力の低さを思い知らされる

中国での「中級」は、明らかに日本での「上級」「超上級」並みでした!とにかく、参加している生徒たちは、「普通」に英語で会話し、ディスカッションしているのです。日本で生まれ育った皆さんなら共感してもらえると思うのですが、基本的に日本人は、英語で試験を受けることには慣れていても、「活用する」という面では、ほとんど訓練されていませんよね。

クラスの他の生徒が、流暢に話しているのに圧倒されながら、私自身はほとんど自分から話すこともできず、教室に一応座っているという状況が続きました。

アプリのアイディアを発表するペアワーク

そんな中、クラスの課題として、「アプリのアイディアをプレゼンする」というペアワークが出ました。

ペアになったのは、やはり2児のママである、私と同じくらいの歳の女性。私が上海に来て、子育ての常識がいろいろ違うこと(中国では、とにかく赤ちゃんを厚着にする、夏野菜は身体を冷やすので注意して与える、など)を発見したという話で盛り上がったことから、もし、世界中の子育て中の親が、子育て情報を交換したり、専門家の意見を聞くことができるアプリがあれば、面白いのでは、ということになりました。

特に、「こうすべき」「ああすべき」ということにとらわれ、まじめに実行しようとする日本のママが、子育ての日本での常識を相対化することができれば、もっと自由に育児を楽しめるのではないか、と考えました。さらに、自分の母国語に自動翻訳されれば、ハードルも低くなるよね、スポンサーもきっとたくさんつくよね、などアイディアがどんどん膨らんでいきました。

プロフェッショナルな英語に驚嘆

まとめのパワーポイントの資料を、ペアの彼女が作ってくれたのですが、そのプロフェッショナルな出来栄えにびっくり。英語もとてもこなれたものでした。

「どうしてこんなに慣れているの?」と聞いたところ、なんと「MBAを持っている」とのこと。

それまで、MBAと言えば、とてもハードそうなだけに主に独身男性・女性が取るもので、子育て中の母親が挑戦するのは至難の業だと思っていたので、びっくり。「上海ではママだってMBA取っているよ」と教わり、「私は子育て中だから、MBAを取るなんて無理」と思っていたのが、単なる言い訳にしかならないことに気づかされました。

私もあんな風にプロフェッショナルなプレゼンができるようになりたい。このアプリ、きっと本当にあったら、たくさんの人に使ってもらえるのではないか。この構想を現実化できるくらい、ビジネスの知識を身に着けてみたい。元々、「MBAなんて夢のまた夢」と思っていた私ですが、同じ母親でもMBAを取っていること、そして、MBAホルダーの実力を目の当たりにし、無謀にもMBA受験を本格的に考えるようになっていったのです。



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