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和装バックが進化する為に乗り越えないといけない課題①

何故和装バックのデザインは変化しないのか?何故もっと便利にならないのか?今回のテーマですが、私は10年間和装バック製造に携わってきて見えてきたことがあります。

「前例のない形の鞄を作っても業界では色物扱いされてしまう」

これが和装バックが進化出来ない1つ目の最も大きな理由です。
私は以前、百貨店の和装売場を周り、販売スタッフに聞いて回ったことがあります。

私「ユーザーはどのような商品を求めていますか? どのようなニーズがありますか?」

販売員さん「そうですね、成人式も迎えられるお嬢様でしたら、長財布や化粧ポーチの入る比較的大きな形をリクエストされる方がいらっしゃいますよ」

私は「やはり」と思いました。既存の振り袖鞄は小型の元が主力で物が入りません。そこで、要望を元に大きな鞄のサンプルを作成し、早速クライアントに見せましたが、良い反応はいただけませんでした。

“振袖用の鞄は丸くて可愛いものじゃないと売れないだよ”

ここで言う売れないとは、クライアントの更に先のクライアントに選ばれないということを意味します。ちなみに商品を企画・販売している人の多くは年配の男性です。

伝言ゲームのような構造が結果的にユーザーの声を遮ってしまっているんですね。

私のいた会社を始め、和装バック製造の現場では注文が来て初めて事業が成立します。従ってどうしても無難なバックばかりが増えていく現状があります。

他にも、コスト面の問題もそこにはありますが、それはまた別の記事でお話したいと思います。ではでは

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