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私の休日

私の平日の動きは先日克明に記したが、今を振り返る未来の自分を想像していつも泣きそうになっている私のために、休日もまた記しておこうと思う。

金曜日はほぼ確実に晩酌をするので明けた土曜の0時から1時の間くらいに眠るが、平日と違い金土の夜中は一切目が覚めない。それなら毎日飲んだ方が良いのではないかと頭をよぎるが毎日飲むのはアル中であるという持論からそれをしない。私にとって「晩酌は毎日やる」「朝食は毎日食べる」「納豆、牛乳、ヤクルト、ヨーグルトは体に良い」「パンをもっと食べましょう」「野球は最高」はすべて似たようなもので既成概念になれない固定観念だ。
朝7時を過ぎると1階で寝ている5歳(6歳寄り)の息子が起きて2階で眠る私を起こしに来る。スマホでゲームをしたいのだ。しかし男の約束によりスマホゲームは朝8時から1時間と決まっているので、1階で8時まで時間をつぶすか2階で8時まで一緒に寝る。2階で寝るのはだいたい7時40分くらいに来る時で、寝ると言っても私のように20分を惜しんで眠るわけではなくひたすら横になって20分間待っている。うるさくすると叱られるので静かに待っている。前日の酒量によっては早く来られるとイライラするのだが息子と一緒に眠れる貴重な時間なので大切にしたいし、いつまでこうして休日の朝起こしに来てくれるのだろうかと思うと無下にはできない。最近は同じ時間に2歳の娘も起きる場合があり階下から「パパー!パパー!」と呼ぶ声が聞こえてくるので、その時は1階に降りて息子はスマホゲーム、娘はおむつ(パンパースが群を抜いて良い)を取り替えてから録画したアンパンマンを見せた状態にしておく。
9時前後になると私が台所で昨晩の晩酌で発生した洗い物を片付けながら「ごはん+目玉焼き+ハム+ヨーグルト」的な息子の朝食と「ごはん+目玉焼き+ハム+昨日の残り」的な自分の朝飯と娘のフォローアップミルクを作っていると妻が起きてきて、娘の「パン+くだもの」的な朝食と妻の「シリアル+ヨーグルト」的な朝食を作り、ビシっとではなく何となく一緒に食べる。息子の分を私が作るのは完全に作家の辻仁成さんの影響で、妻にも最近息子に優しくなったと言われる。辻仁成さまさまだ。

それから息子や娘の歯の仕上げ磨きを妻がやったり私がやったりして子の準備が一通り終わったら私がシャワーに入り、10時30分にはだいたい準備完了。用事のない晴れの日はだいたい公園、雨の日は家で録画したテレビを見たり映画を借りてきて見たりおもちゃで遊んだりしていると昼になる。最近は日曜の9時30分からやっているキラメイジャーがお気に入りで、終わりの歌のキラメイダンスは私も息子もだいたい踊れる程度にハマっている。主題歌のCDはもちろんゲオで借りた。

他にも今までキッチンままごと、トミカ、プラレール、ムシニン、パズルなど色々遊んだが、個人的にままごと遊びが苦手でプラレールがいちばん楽しい。線路の切り替えスイッチをパチっとやると時計回りだったルートが反時計回りになるレイアウトなど考えるのが楽しい。しかし息子は電車を手で押すのが楽しいようで、父会心のレイアウトも電車たちが思う存分走り回ることは極めて希だった。

昼飯はだいたい12時から13時、妻が作って私が洗い物。いつものパターン。昼飯が終わると娘が昼寝をするので(夜は私と眠るのを嫌がるのに、昼寝だと抱っこひもでねんねこさせることができることが多い)そのタイミングで私も一緒に30分ほど昼寝。その間息子はYouTubeを見たりファミコンミニでスーパーマリオやエキサイトバイクに興じている。彼は4歳頃から一切昼寝をしなくなった。車でもそうだが眠るのがもったいないとばかりに入眠を拒否する。おかげで夜はすぐ眠る。

また最近はコロナの影響で食品の買い物は妻が週に1回ひとりでまとめ買いに行くので、これも土曜か日曜のこの時間になる。午前中にダラダラした日は公園に行ったり食料品以外の買い物に行ったりするのが午後になり、だいたい13時過ぎに出て遅くとも16時から17時には帰宅する。帰宅後は妻が夕飯を作り私はふたりの子を順番にシャワーや風呂に入れる。ふたり同時だと大変なので(妻は平日それをやっているのだが)私の場合は自分の頭と体を洗ったら順番に呼んでいるが、三人一緒に入れるのは今だけだから来週から一緒に入ろうか思った。今これを書きながら。

休日の夕食は家族四人一緒に食事できる数少ない機会なので楽しくしたいと思っているしだいたい楽しい食事だが、幸か不幸か食べ物の好き嫌いが無いと言っても過言ではない私の家に誕生してしまったふたりの子は好き嫌いをするとパパに叱られる。娘はまだ2歳なのでキツくは叱らないが、目に余るときは少し強めに「食べなさい。パパは好き嫌い許さないよ!」と言って泣かすことはある。パパは怖いのだ。息子は最近好き嫌いをしないが食事中にだらけて肘をつくことがあるので「肘!食事をなめるな!」と叱る。私は食事であまり厳しく注意された記憶が無く高校で友人に「その食べ方、人生に関わるよ」と指摘されるまで自分の食べ方の汚さに気づかず自分で矯正するのに時間がかかった。生きるということは食べるということ、妻子に何と思われようと命を頂く態度、姿勢の躾は厳しくするのだ。妻は好き嫌いだらけで説得力がないのでこれは私の役割だと思っている。

ここから先は平日と変わらず、妻は21時を目標に洗濯機を回して子の寝かしつけ準備、私は洗い物と洗濯干し係。21時30分くらいになったら金曜の残りのビールがあれば飲んでから、なければそのまま近所の飲み屋に行く。

近所の飲み屋ではいつもの常連客と記憶に残らないどうでも良い話をしながらビールを飲み、妻が家にいるときは深夜0時を目処に家に帰る流れにする。妻が実家に泊まったりして家にいない時はここぞとばかりに飲むこともあるが、それでもせいぜい3時くらいまでで、昔のように自然に朝まで飲む事がなくなってしまった現実に少し悲しくなるが、朝まで?楽勝ラクショー!という気持ちと酒を愛するススキノ魂は忘れない。酒の一滴は血の一滴。

家に帰るとだいたい録画したりゲオで借りてきている日本のドラマを妻が見ているので、少し眺めながら追加でウイスキーを飲むこともあるが、私はドラマの雰囲気を壊す演技が嫌いで特に缶コーヒーや缶ビールを飲む演技は、今飲む理由を理解した上で空っぽの缶を手にしているとは思えない子供騙しが多く、そういうお芝居を目にするとついそのようなことを言ってしまい真面目に見ている妻に怒られるので、サッサと歯を磨いて深夜1時には2階の自室で床につき5分とかからず眠りにつく。

日曜の朝7時を過ぎると1階で寝ている5歳(6歳寄り)の息子が起きて2階で眠る私を起こしに来る(既読感)。土曜との大きな違いは酒を飲まないことで、それ以外はだいたいふたりのこどもと何かして遊んで、たまに食事を作って、洗濯物を干している。

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そうだ。今度の休日はコオロギかスズムシを捕まえにいこう。捕まえたら虫かごに入れて2、3日家でコロコロリンリン鳴いてもらおう。その後は息子にイヤだイヤだ言われながら自然に返そう。なんて考えながら22時過ぎに眠りにつけば、平日がまたはじまる。客観的に見ると普通の平日だが、当事者にとっては渇望した平日、言い換えればやっと手に入れた愛しい毎日へとつづく。


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