【満月ガスとバス】#毎週ショートショートnote

「満月ガスとバスの相性は最高です」
「そうかい？先日のトラックとのテストは最悪だったが？」
「大きさの問題ではないと思います。おそらくは形…いや、ひょっとしたら積載内容かもしれません」
「ふむ…」
「満月ガスはタクシーの相性もいいですし」
「積載内容ねぇ。そこは気が付かなかったな。でも、普通乗用車とは悪くないという程度だ」
「つまり、満月ガスは商用車向けなのではないでしょうか？」
「なんとも独特だねぇ」
「テストに使ったトラックは白ナンバーでしたので、青ナンバーで再度テストしてみます。これで前回より良い結果が出たら、満月ガスは商用車向きということになります」
「うむ。わかった。そこは再テストを頼む」
「承知しました」
「しかしこの謎の天然ガスが有効に使われるとなると、エネルギー問題にも光明が射すってもんだな」
「そこは満月に噴き出す満月ガスだけあるってところでしょうか？」
「癖が強いのが難点だがな」
覗く空には明日には満ちる月があった。

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