【70スキャンダル】#100のシリーズ
「僕たちの交際をスキャンダルと書いた媒体全てを名誉毀損で訴えます」
スキャンダルの意味を調べたら「醜聞」とあった。
醜聞を調べたら「ある人について聞き苦しい噂」とあった。
僕と彼女の恋愛を醜聞と呼ぶ奴らに語ることは何もない。
それに僕と彼女が付き合っているのは紛れもない事実だ。
スキャンダルという言葉自体が煽りというものだ。
「事実を書いてなぜ訴えられなければならないのですか？」
「僕たちの恋愛が聞くに耐えない酷い話だというのですか？」
「誰もそんなことは言っていない。トップスター同士の恋愛はとても衝撃的だというまでの話で」
「それがスキャンダル。醜聞だというのですか？」
「えっと…スキャンダルという言葉に対してのお怒りでしょうか？そんな雑誌記事の常套句ではないですか」
僕は大きくため息をついた。
「常套句？意味もわからず使いやがって！」
「僕らの恋愛をスキャンダルなどと呼ぶな！」
「その一件から始まって、スキャンダルという言葉が使用禁止になったんだ」
「でも、本当のスキャンダルだってあるじゃない？」
「そうだね。普通に不正とか不祥事とか。で、改めてマスコミ側も気がついたんだ。恋愛をスキャンダルと呼んでいたのはあまりに失礼な話だとね。まぁ、それが不倫とかなら話は別だがね。もっとも、過去の恋愛をスキャンダルだと言って売りに来る輩もいた。でも、自分の恋愛を醜聞というようなヤツだから、その恋愛も実らなくて当然だ」
「ですよね」
アップしようとしたら別の【スキャンダル】を発見したので、それはまた別でアップの予定ということで…。