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【31 DとG】#100のシリーズ

「DとG?」
「なんだと思う?」
「ダイイングメッセージか何か?」
「近いような全然遠いような」
「なんだそりゃ?」
「メモにあったんだ」
「誰の?」
「自分の」
「は?」
「何のメモなのか、前後を見ても全くわからない」
「あるよねぇ。そういうの。書いてる文字すら読めないのも」
「もはやメモじゃないよな」
「メモじゃない可能性はないのか?」
「どういうこと?」
「試し書きとか?」
「何の?」
「新しいペンか何か?」
「うーん・・・多分違う。これは、いつも使っている。それに試し書きは大抵ニョロニョロっと曲線をね。あとは店頭で試し書きをする時は『本日は晴天なり』って書く」
「へぇ。名前とかじゃないんだ?」
「え?おまえ、名前とか書いちゃうの?」
「好きなタレントとかの」
「あぁ」
「その日に好きなタレント」
「ちなみに今日は?」
「ロバート・レッドフォード」
「渋いね。って何で?」
「昨日、スティング見たんだ。DVD。定期的に見たくなる」
「そうなんだ。ポール・ニューマンにはならなかったんだ」
「昨夜の時点ではポール・ニューマン。だからよく変わるんだって。おまえは?今日は誰が好き?」
「今日は、って。俺、こう見えて一途。いつも一緒」
「って、おまえひょっとして二次元?」
「ドキ!」
「うーん。そうだなぁ…」
「嫌だ。おまえに当てられたくない。さきに言う。俺の操はエヴァの葛城ミサト三佐に捧げているんだ」
「え?だって、加持さんのオンナだろう?」
「いいんだよ」
「何だっけ?メガネ。あ、日向くんと一緒かよ」
「え?何、おまえ結構詳しいじゃん」
「俺らの世代、一度はエヴァの洗礼受けるっしょ」
「そうだけど」
「ちなみに俺は、胸のデカいマリちゃんがいい」
「なんだよ。結構どっぷりじゃん」
「で、このDとGだが…」
「ぉおい!」
「ダイヤモンドのグレードじゃね?」
「え?」
「G以上がまぁ透明に見えるんだ。Dはマジ透明」
「へぇ…そうなんだ」
「嘘じゃない」
「うん」
「その反応は、これもハズレかぁ」
「うん。なんか…ごめん」
「いや、いいよ。コーヒーでも飲もうか?」
「うん」

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