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【隔週警察】#毎週ショートショートnote

ここは町役場。書いているのは転入届。
「隔週警察と隔週消防どちらに所属しますか?」
その質問の後ろにある「必須」の文字。
自警団とか消防団のことだろうか?必須って?
しばし固まっていると背後から「どうしましたか?」と声をかけられた。
「いえ。あの。えっと…」
こちらの手元を覗き込み、「あぁ。この町ではどちらかに所属することになっています」と言った。
「隔週って?」
「たとえば隔週警察でしたらその1週間は警察官としての任務に当たってもらいます。変則3交代制です。消防は24時間勤務です」
そう言いながらそれぞれのシフト例を見せてくれる。
「会社に勤めているんですが」
「ご心配なく。この町の住人であるとなるとその辺は企業さんも理解していただいております」
「はぁ」
「体力に自信のある方には消防をお勧めしています」
「全く自信ないです」
「では無難に警察がよろしいかと」
そんな単純な理由で決めていいのだろうか?そう思いながらも隔週警察を丸で囲んだ。