見出し画像

減らしてプラス〜ゲンチクリノベ


ゲンチク(減築)とは。

増築の反対。
建築面積を減らす工事です。

住まいに限っては大概の場合「暮らすのにちょうどよい面積」があります。

30〜35坪、2階建、3LDK〜4LDK、リビングダイニングキッチンと主寝室と子供部屋…家族向け木造住宅の標準的な広さです。昭和の時代からこのようなサイズの住宅がたくさんの家族を育んできました。

そして現代。
その住宅に2人ないし1人で暮らしているという状況が、めずらしくありません。日本の世帯の半数以上は単身または2人世帯。筆者の暮らす千葉県船橋市も、そういった住宅が多い地域です。

広すぎるなら、建て替えれば?違う場所に住み替えるのも良いんじゃない?
それも一案。

しかし、愛着ある我が家を建て替えるのも、慣れ親しんだ地域を離れるのも、それなりに負担です。
もちろん金銭的な問題も無視できませんし、そもそも、まだ使える家を跡形もなく壊すなんて、環境に優しいわけがない。もったいない。

そこでリノベーションを。


「リフォーム」は原状回復
(新築の状態に戻す)、
「リノベーション」は高性能化
(機能や価値をプラスする)。
似ていて非なるものです。

当社はリフォームは行いません。
新築住宅の設計が本職です。
しかしリノベーションは、構造・性能・暮らし方・コストの総合的なプランニングが不可欠で建物のことを熟知した建築士が設計する必要があり、実は新築を設計する以上に経験が求められる工事なのです。

元々の建物にその改築を受け止めるポテンシャルがあるか、、耐震性を上げるためにはどこを補強してあげるべきか、、今の建物を活かしつつさらに価値を上げるには、、家族の暮らしや思いもイメージした上で、改築のボリュームと方向性を決める。

建築の仕事に就いたばかりの時には難しかった「減築」に、挑戦しています。

減築+リノベーションの利点


●建物が軽量化し耐震性が上がる。
●未使用の部屋のメンテナンスが不要になる。
●屋根面・外壁面が減りランニングコスト(建物維持費)が下がる。
●建物全体の熱効率が良くなる。
●生活の基本をできるだけワンフロアに集めることで、将来的に介護が必要になってからも長く自宅で暮らせる。
●愛着のある家の「残したい」と不自由さによる「変えたい」の両立。
●まだ使える資材を有効に活用することで、廃棄建材を減らし環境に配慮した工事を行うことができる。

住まいの広さを減らして、家の機能を向上させる。
その選択は、自身の快適性だけでなく、SDGsへの大きな働きかけとなるのです。

ゲンチクリノベで作る未来

ゲンチクリノベは、住んでいる人の希望に合わせて改築するだけでなく、中古住宅をコンパクト住宅に造り直し、安全で機能的に再び生まれ変わらせ、市場に新しい物件として供給することもできます。

未来の住宅建築は環境とともに。資材を最後まで大事に使い切るリノベーションで、「活きた住まい」を増やしていくことに尽きるのです。

たつきのゲンチクリノベ

当社の工事では、減築してできた空間に性能アップのあるアイデアを施します…

こちらは、また別の機会に。

ゲンチクリノベは、
「減らす」ことで「価値をプラス」する、新しいスタンダードです。


#設計事務所 #船橋市習志野台


この記事が参加している募集

#SDGsへの向き合い方

14,747件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?