感想:新九郎、奔る!(13):金がないのは首がないのと一緒

史実を知っていれば、今は嵐の前の静けさであることが分かりますが、本巻での新九郎はそんなことも露知らずに自分の家のことで精一杯です

金策に走り回り、徳政令を出し、弟を他家の養子に送り、姉と龍王丸を支援し、姉の娘に世話係としてぬいを紹介し、就職活動に奔走します。
新九郎は常に資金難で思うように行動できずに苦労しており、「金がないのは首がないのと一緒」という言葉が私の脳裏をよぎりました

本巻では、戦いもなければ、歴史的大事件もなく、マンガ的には地味で盛り上がらない展開が続きます。
ですが、歴史好きとしては当時の武家のリアルな暮らしを知る事ができて とても面白いです。
そして地味な展開の裏側で新たな時代への流れが生じていることが本作の随所で暗示されていて、ワクワクさせられます

本作は文章での説明も多いので普通の分かりやすいマンガではないかもしれませんが、じっくり腰を据えて読めば、多くの見所のある素晴らしい作品だと私は思います

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