感想:オリオリスープ(1):よく働き、よく作り、よく食べる。趣味は自分を助ける

本作は装丁デザインなどを手掛ける小さな会社で働く織ヱさんが、凝ったスープ料理を作るマンガです

織ヱさんは化粧もせずに泊まり込みで働いたり、記憶をなくすほどに飲んだ挙句に 行きずりの男性と一晩を過ごすなど、雑な暮らしをしています。
ですが、彼女が仕事の合間などに作るスープ料理は実に凝っていて丁寧です。
どんな雑な生活をしていても、スープ料理という要があるため、彼女の生活には地に足の着いた安定感があります。
人は生活の中に何か1つでも「こだわり」があると、それを軸に生活を充実させることができるのだと私は思いました

織ヱさんは職場の生真面目な青年と対立したり、仕事で失敗したりしても、スープ料理で気持ちを落ち着けて前向きに解決していきます

織ヱさんには幼少期のトラウマがあり、行きずりの男性と関係を持つような自分を大事にしないところもそのトラウマに起因しているようですが、職場の青年や友人達とスープ料理を食べながら対話していく中で自分の気持ちを整理していきます。
つまり、趣味を介して繋がる縁がきっかけで、自分の抱える問題を省みて乗り越えていくわけです

趣味は自分を助ける。本作はそういう話でもあります

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