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【美味クレソン】4話後編 めおとチャーハン

前回のあらすじ

「どうも〜幸子です。たつじさんったら中華料理屋の
ご夫婦を怒らせちゃったの。ここのチャーハンは食えない
とか言っちゃって。味は美味しいのにどういう意味かしら?
それにしても夜10時にアパートに来いだなんて非常識
にもほどがあるわ。プンプン(怒)あらやだっ、ワタシ
が怒ってる。メンゴ!」

繁華街の一軒のボロアパート

幸子「ここだわ、たつじさんのアパートは」

主人「こんな夜遅くから何をやるんだ、まったく!」

嫁「早く帰りましょうよ」

たつじ「どうぞ中へ」

主人「早く要件を済ませてくださいよ」

沈黙の中、時間が進む
突然となりの部屋からザァザァーと
大きな音が聞こえる

主人「なんだ!大雨が降っているのか?それとも
火事か!」

たつじ「その小窓から隣の部屋を見てください」

一同隣の部屋をのぞき込む
すると、中国人夫婦、劉夫妻が仲良くチャーハンを
炒めている

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嫁「え!ご夫婦2人で仲良くチャーハンを炒めているわ
それにしてもなんという火力!」

たつじ「いや、奥さん、チャーハンを炒める技術は
あなた達も負けていませんよ。大事なのはそこじゃない」

幸子「一体何が足りないのかしら?」

たつじ「同心だ。劉夫妻は同じ心でチャーハンと向き合っているんだ。」

主人・嫁「同心?」

たつじ「あなた達2人は似たものどうし。お互い負けず嫌い
なのはいいが、一旦火が着くとおさまらなくなる。そう、
業務用ガスコンロのようにね」

主人・嫁「業務用ガスコンロ?

たつじ「ご主人、あなたは、さしずめ『孤独なカウボーイ』ってとこかな。
哀愁を漂わせているのはいいが、お客様からは『えーあの人、孤独なカウボーイの振りをしている、このご時世に』と笑われるのがオチだろう」

主人「……」

たつじ「奥さん、あなたは『1人よがりのl want you』だ。
私を見て、でも見ないで的な」

嫁「……」

たつじ「まあ、要するにだ、仲良くしましょうって意味だ」

幸子「……(最初からそう言えばいいのに)」

嫁「確かにたつじさんの言うとおりだわ。昔はお互いに
切磋琢磨して毎日チャーハンの研究をしてた。でも
店が繁盛しだしてから忙しさに追われるようになったの」

主人「そうだな。あの劉夫妻のように初心に戻ろう」

幸子「……(意外と伝わっている)」

主人「ヨシ、今から帰ってチャーハンを作るぞー!」

嫁「あなたったら」

幸子「……(やっぱり似たものどうしだわ)」

別の日の中華料理屋『チョン・ユンファ』にて

たつじ「すごい行列だ」

店から出てくる客

客「ここのチャーハン美味しくなったよな。
店の雰囲気もいいし言うことなし!」

幸子「OHーミラクル!


【美味クレソン】続くかも・・・


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