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Letter: 加速と減速

本屋を散歩していると、『加速する社会-近代における時間構造の変容』と『Slowdown 減速する素晴らしき世界』という、真逆の事を主張しているようなタイトルの本が並べられていました。読み比べしてみようと取り組んでいますが、400ページを越える本なので、なかなか苦労しています…ただ、どうやら、2つの本は、語り口が違うだけで、似たような景色を捉えているように思えてきました。

 
人口、技術、社会、個人の生き方…
様々な変化が加速し、それらが相互に影響し合いながら、ますます加速していく。
時間を節約し、利用可能な時間を増やしているはずなのに、その努力をすればするほど、時間が足りなくなってしまう。加速する社会に遅れまいと自分自身も加速せざるを得ず、それは短期目線を助長するのに加えて、自分が”自分”を失っていくことにも繋がりかねない。
 

一方で、そういう状況に関する限界や反動が、システムや個人のレベルにおいて「減速」という現象として表出しているのも、今の時代だそうです*。『Slowdown』の方では、人口動態や経済指標など、「減速」しつつあるマクロデータが紹介されています。『加速する社会』の方でも、高速に回転しているタイヤが止まって見えるような状況として、「減速」が語られているように読めました。
 

「加速」のなかでも”自分”を失わないこと、
「減速」のなかで豊かに生きること。

 

本の中では、そのキーワードとして、「共鳴」が挙げられていました。主観を以て他者と繋がり合うこと、そして、その繋がりを深めることを通じて互いに変容していくこと。そういう姿勢と行動が大切だと語られていました。
 

読み進めながら、「時間(加速/減速、短期/中長期)」と「主観と共鳴」というキーワードが頭に残りました。


私たちが対峙している企業経営についても、短期志向と加速に向かう誘因と圧力は強いものがあります。
ところが、近年さらに耳にすることが増えている「事業開発」や「人材開発」において、その「開発」には、相応の熟成期間を要するものです。この緊張関係において、様々な創造性の土壌が広がっているように思います。

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