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水平思考とMECE【ロジカル・シンキング】

みなさんこんばんは、福田達也です。

先日の記事では、ロジックツリーを作る上で水平思考と垂直思考という考え方があるという話をしました。まずは水平思考で広く浅く考え、その上で垂直思考で深く深く考えを深めていくことで、より広範でスキのない検討ができるようになります。

しかし、いきなり水平思考で考えを展開していくことは、慣れてない人にとっては難しく、ヌケモレの多い検討になりやすいといった課題があります。

今回は、水平思考をしていく上で重要な考え方である、MECEについて紹介します。


水平思考とMECE

水平思考は、ある思考の対象物(課題や目的)に対して、その課題の原因や、目的達成のための手段を考えていった時に、他に考えられることはないのか、と考える思考です。

例えば、小売店で、店舗の売上を上げたいと考えた時に、客単価を上げるのか、客数を上げるのか、他に考えられることはないのかといった検討をしていきます。

水平思考をする上で、重要な発想は「他に考えられることはないのか?」と常に問いかけることです。思いついた原因や手段にいきなりとびつくのではなく、一旦それをおいた上で、他に何が考えられるかを検討していきます。

しかし、慣れていないと検討がそれで十分なのかどうかを判断するのが難しいです。そこで重要な考え方が、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)かどうかをチェックするということです。

MECEとは、「モレやダブリがない状態」を表します。思考にモレがあると、機会損失に繋がりますし、ダブリがあると混乱や無駄に繋がります。モレなく、ダブリなく考えることで、網羅的な原因究明や方策検討ができるようになります。また、MECEであることが確認できていれば、なにか抜けているのではないかという不安とも無縁になります。

MECEに分けていく上でのコツは正反対の組み合わせは何かを考えることです。例えば成人と未成人、男性と女性、高級と中級と安価などといった組み合わせを考えていくことで、比較的簡単にMECEなセットを見つけ出すことができます。

またこの時に効果的なものが、既存のビジネスのフレームワークを活用することです。既存のビジネスのフレームワークとは3C分析(顧客分析(Customer)・競合分析(Competitor)・自社分析(Company))や4P分析(Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(プロモーション)などを指します。困難な検討も、先人が作ってくれたフレームワークを活用することで、一気に検討が容易になる場合があります。

しかし、一般的な問題解決においては、完全にMECEに分けることが難しい場合もあります。このような時は、MECEであることに固執しないことも重要です。目的はMECEかどうかではなく、網羅的な検討ができているかどうかです。MECEでないから駄目だと考えるのではなく、できる限りMECEに近づけていこうとする思考のプロセスそのものが、ロジカル・シンキングをしていく上では重要です。

終わりに

今回は、水平思考で検討していく際に重要な概念である、MECEについて紹介しました。

ロジカル・シンキングを勉強していく上で避けられない概念がMECEですが、自分が最初に学んだ時は非常にとっつきにくい概念だと感じたことを覚えています。

今回の記事が、皆さんの理解の助けになれば幸いです。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。

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