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真の原因を見つけるためになぜなぜ分析の力を使う【ロジカル・シンキング】

皆さんこんばんは、福田達也です。

先日の記事では、ロジックツリーを作る上で水平思考と垂直思考が大事だという話をしました。水平思考では広く浅く考えを広げ、垂直思考では深く深く考えを掘っていく。

そして、水平思考で考える上では、MECEかどうかをチェックすることが重要でした。そしてMECEに考えていく上では、既存のビジネスフレームワークが活用できることも紹介しました。

今回は、垂直思考についてどのように深掘りしていけばいいかについて解説します。


垂直思考となぜなぜ分析

以前の記事にも書きましたが、垂直思考は、ある思考の対象物(課題や目的)に対して、その課題の原因や、目的達成のための手段を考えていった時に、その原因の原因は何かや、その手段を達成するための手段はなにか、と深掘りしていく思考方法です。

例えば、イベントの集客力が落ちてきている中で、なぜ落ちてきているのかを考えたいといったケースを考えます。水平思考で検討し、いくつかの候補を上げた中で、既存の顧客が離れていったのではないか、という部分を検討しようと考えたとします。

ここから垂直思考をしていく中で重要な考え方がなぜなぜ分析です。なぜなぜ分析は、古くはトヨタ自動車において、自動車の製造過程で生じる問題の真の原因を探るために生み出されたと言われています。

なぜなぜ分析のやり方は簡単で、ある問題や課題があった時に、なぜそれが起こったのか、問いかけを5回繰り返すというものです。例えば、イベントの集客力が落ちているのであれば、なぜ落ちているのか、それは既存の顧客が離れていったから。なぜ既存の顧客が離れていったのか、それはイベントの質が下がっているから。なぜイベントの質が下がっているのか…といった風に、なぜを繰り返し問いかけてその裏の裏にある根本原因を探っていきます。

そして一番奥に潜む根本原因を突き止めることができれば、それをどうやって解決するか、という方策検討に進むというのがなぜなぜ分析の方法です。

垂直思考をする上では、原因究明においては、このようになぜ?を繰り返して原因を探っていくことが効果的です。方策検討(目的に対する手段を検討する)の場合においては、どうやって達成する?を問いかけていくことになります。このように、再帰的に検討していくことが、垂直思考では重要となります。

水平思考から垂直思考を繰り返す

以前の記事では、ロジックツリーを作る上では、水平思考→垂直思考の順番が大事だという話をしました。これは、一番上の枝だけでなく、下位の枝においても重要です。

上記のなぜなぜ分析においては、なぜ既存の顧客が離れていったのか、それはイベントの質が下がっているから。なぜイベントの質が下がっているのか、それは…という風に、まっすぐに思考を深掘りしていきました。

ロジックツリーを作る上では、なぜ既存の顧客が離れていったのか、という1つ1つの検討に対して、再度水平思考を行っていくことが重要です。イベントの質が下がっている、という原因が見つかったとしても、他に考えられることはないのか、をまず考える。そして、考えができってから、そのうちのどれを最初に考えるのかを検討します。

このような検討の違いは、ロジックツリーとなぜなぜ分析の目的が違うから起こっています。ロジックツリーは課題のための原因を構造化して一覧する事が目的ですが、なぜなぜ分析は課題の根本となる1つの原因(根本原因)を探るために使われます。

終わりに

今回はロジックツリーを構築する上で重要となる垂直思考に対して、なぜなぜ分析を活用する方法を解説しました。

私たちはうっかりすると最初に思い浮かんだ原因や解決手法に飛びつきがちです。そこで思考を止めるのではなく、なぜそれが起こったのか、どうやってその手段を実現するのかを常に問い続ける姿勢がロジカル・シンキングでは重要です。

思考の深掘りを続けて、深く深く物事を考える力をつけていきましょう。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。

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