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KDDIの200円返金の妥当性について考えてみる

みなさんこんばんは、福田達也です。

本日、2022年7月2日に起きた、KDDIの大規模通信障害について、約3600万人の契約者に対して、1契約者辺り200円の返金を行うというニュースがありました。

自分はKDDIユーザーではありませんでしたが、パッと聞いた時、「えっ、少なっ」と反射的に思ってしまったのも事実。

今回はこの200円返金について、自分なりに思ったことなどをつらつらと書いてみようと思います。

200円の根拠は?

最初に考えるべきは、200円の根拠はどこから来ているかということです。

この200円というのは、私達が携帯回線を申し込む時の契約約款に記載されているということです。

高橋社長は会見で、おわびの返金額を200円とした理由について、約款に基づく返金の額を、一日当たり52円と計算したと説明したうえで、音声通話やデータ通信が61時間以上利用しづらかったことを、影響が3日間に及んだとみなして、当初は、3日分に相当する156円の返金を検討したということです。

そのうえで高橋社長は「おわびの意味を込めて200円とした」と述べました。

賛否両論のスタンス

この200円について、賛否両論の意見が飛び交っています。

賛成の意見は、KDDIがこれまで頑張ってきたことや、謝罪の際の社長の受け答えを見て応援したくなったというプラスの気持ちが根っこにあるようです。その上で、返金は要らないから設備投資に回して再発防止をしてほしいということや、200円でも36万人に返金すれば多額の支出になることを心配しています。

否定の意見は、たった200円ぽっちでは何も買えないから無いのと変わらない、1万人に7200円とかもっと大きな額の方がいいんじゃないか、通信がつながらなかった時に受けたビジネスのダメージは200円なんかじゃすまない、といった意見が多いように思います。

個人的には200円の返金は妥当

ここまでの話を総合すると、自分個人としては、約款に記載の金額以上の200円は妥当だと感じました。

インフラだから…という意見も分かりますが、複数の事業者がある中で自分で回線を選んでいることも自分の選択です。複数回線を持って備える選択や、より高品質な通信サービスの契約、通信回線以外を備えておくという選択肢もありました(もちろん予測できるのかといった話は横に置きます)。

そして、200円程度の通信量だけれど自分のビジネスとしてはより多大なダメージを受けたという話もわかります。ですが、私たちは通信インフラを土管のようなものだと思い、サービスの上でどれだけの利益を上げたとしても一定の通信量しか払っていません(このあたりは、Over the Topとインフラ業界の対立として今も議論には上がっています)。であれば、サービスの不通でビジネスに影響を受けたとしても、一定の返済で終わるのが筋かなとも思います。通信事業も私たちの支払いから得た利益によって設備を増強しているビジネスであり、慈善事業ではないのです。

貰うことに慣れているかもしれない

しかし、最初に反射的に200円が少ないと思ってしまったのは事実。その根底を考えてみると、もしかして自分たちは貰う事に慣れてしまっているのかもしれないという危機感を覚えます。

”お詫び”と聞いて最初に思い浮かんだのはソーシャルゲームにおける"詫び石"です。詫び石とは、メンテナンスの延長やサービスの停止などの不具合が発生した時に、運営からユーザー全員に配られる仮想通貨です(現金への変換はできませんが、現金で購入できるという点から仮想通貨と表現しています)。

そしてこの詫び石ですが、わずか数分のサービス停止に対して、平気で現金換算で数百円から1000円相当の仮想通貨が配られます。こういう”お詫び”に慣れてしまっていると、1,2日の通信断の”お詫び”がたったの200円ぽっちと、少なく感じてしまうのも不思議では無い気がします。

ただ、忘れてはならないのは、この仮想通貨を配った所で運営は1円もキャッシュを失いませんが、KDDIのケースでは72億円の支出が発生しているということです。忘れがちですが、現金か否かの影響は事業を運営していく上で非常に大きなものです。

お詫びの気持ちは伝わっていない

もう一点、Twitterなどの反応を見ていて興味深く感じることがありました。それは、200円の多寡に関する是非(200円要らないから設備に投資してくれ or たった200円の返金とか舐めているのか)に関する議論は多くありますが、おまけの44円に言及している人はほとんどいないということです(約款どおりであれば、KDDIは156円ないし157円の返金が妥当ですが、"お詫びの気持ちを込めて"200円にしています)。

KDDIとしては、”お詫び”の気持ちを込めて20%以上も多く支払っているのですが、その気持が届いた方はほとんどいないようです(自分が貰う側だとしても、40円程度変わってもなぁと感じると思います)。そういう意味では、約款通りだと157円しか払わなかったとしても、なんら影響はなかったかもしれません。

事業判断をする上で、ユーザーの気持ちを想像する事がとても大事なのだろうと感じます。

※余談ですが、今回のKDDI騒動については、事故直後のKDDI社長会見の影響も大きいと思われます。社長が矢面に立って、難しい技術的な質問にも自らの責任で答えていく。その姿を見て、応援したいという方に感情が動いた方が多数いたことが、今回の賛成の多さにつながっていると思います。社長会見についてはこちらなど。

終わりに

今日はKDDIの大規模障害から、200円の返金について自分の感じたことをつらつらと書いてみました。

みなさんそれぞれで異なる意見があるだろうとは思いますし、その解釈一つ一つに正解・不正解を言うつもりもありません。ただ、振り返ってみて、サービスがあることを当たり前に感じていた自分に気が付きました。

改めて、重要なインフラを支えてくださってる方々へ感謝するとともに、いざとなった時に対処できるような準備もしておく必要があると実感しました。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを、楽しみにしております。


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