映画の思い出⑵ - 中国と日本の違い
「この映画、ポルノじゃないの?映画館で観れるやつなの?」
映画を観終わった後、隣に座った中国人の友達に聞かれて絶句したのは2年前のこと。
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私が留学していた街、オーストラリア・シドニーでは、毎年ジャパンフィルムフェスが開催されます。
オーストラリア数都市の映画館で数週間にわたり、日本映画が観られる企画です。
映画の勉強を始めた頃、日本映画がだいぶ恋しくなっていた私は、仲良くなった中国からの留学生を「何か観に行かない?」と誘って、一緒に映画館へ向かいました。
予告が面白そうだったからか、ちょうど良い時間帯だったからか、理由は全く覚えていないのだけど、選んだ映画は漫画原作のラブコメ。
出演されている俳優さんも人気が出だしてきた方だったし、ビジュアルもそんなにコテコテしてない感じだったので、一緒に観るには良いかなと思ったのですが、この作品には問題がありました。
テレビドラマと比べると、というかハリウッドの作品とかよりもかなり性描写が過激な作品でした。
映画終了後、隣で焦りながら私に質問する友人。
「すごい映画だったね。日本はこんな映画が映画館でみんなで観れるの?」
舞台挨拶に来てくれた女優さんを観て、私にまた一言。
「彼女はポルノスター?」
「え?」と思っているところへ友人が言うには、中国ではそういった描写の規制が厳しく、そういう表現が入る映画は基本的に観られない(=全てポルノ)のだそう。
いや、日本ではそうではなくて、彼女はとっても素敵な女優さんなんだよ。ちょっと激しかったね。でもこれが日本のスタンダードではないんだよ。と説明したらわかってくれましたが、その後私たちの間には、気まずい空気が流れていました。
海外で日本の映画が取り上げられることも多くなった昨今ですが、外国の友人と観に行くときはよく考えてチョイスをした方が良いと学んだ夜でした。
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