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スタートアップが理解すべき「客観」と「主観」のリスペクトのある戦い

食の「達人」から見たサイゼリヤの凄さ

お疲れ様です!食、と、「客観」vs「主観」を考える上で、とても参考になる記事が一つあります。目黒のイタリアン『L`asse(ラッセ)』の村山太一さんの対談記事です。

https://note.com/txoko/n/nf89e5b898271

この記事のポイントは何か?

食に関するスタートアップをやっていた私が言うので、間違いないと断言できるのですが。この記事は非常に興味深いです。

尚、一般的にミシュラン店のような、非常に食文化に拘ったレストランをガストロノミー店と言います。

ポイントは以下

  1. サイゼリヤとガストロノミー店のビジネスモデルは同じだが、生産性は遥かにサイゼリヤの方が高く、サイゼリヤから学ばない限りガストロノミーの未来はないと考えていること。

  2. サイゼリヤの生産性は、徹底的に考え抜かれていて高い。それを支える「仕組み」化がすごい。

  3. 単に生産性が高いだけでなく、輸入を工夫しエスカルゴは日本で一番美味しいなど、サイゼリヤは高生産性を顧客に還元している

  4. サイゼリヤと比較すると、人がより大事になるガストロノミー店では、人に投資し能力を増やす仕組みを作るべきで、その為には生産性を向上必要

  5. 情熱を持った若者が続けられる仕組みを作るのが、経営者の使命

正直において、すべてにおいて傾聴すべき意見だと思いますが。特にこういったミシュラン店のような個別性の高いレストランにとっては、サイゼリヤを参考にするということは、ブランディング上言いたくないにもかかわらず、そこを明確に言い切ったということは素晴らしいと思います。

村上さんが言う二つの必要な要素。ファイナンスと料理の技術

レストランを成り立たせるには、一人当たりの売り上げをあげるファイナンスの頭と、料理やサービスの技術を向上させる・新しい驚きを与えていく頭、その両方が必要です。情熱を保ちながらその両方を彼らができるように、ちゃんと給料を払う。生産性をあげて労働時間を減らすことで、プライベートの時間も持ってもらう。仕事だけの人生じゃあ楽しくないですからね。

記事

事業として実現・成長していきたいこと、それをどうファイナンスさせるかというのは、相反することではなく、両方ともとても大事なことです。

それをミシュラン店のようなガストロノミーでも実現しようというのが、彼の発想です

ガストロノミーもサイゼリヤもどちらも素晴らしい

食事を研究していると話をすると必ずある議論として、お前はミシュラン店のような「食文化」をサイゼリヤと比較するなどバカにしているのかとか。サイゼリヤの方がお前は好きなのかとか、その逆も言われるのですが、どちらが正しいという話ではありません。

私は。ミシュランの星つきのような店を世界に紹介するサービスをしてましたし、そういったガストロノミーで食事することが大好きです。一方、サイゼリヤも大好きです。この記事を読んで、よりサイゼリヤが大好きになりました。

まとめ(やはり、圧倒的な「客観」と圧倒的な「主観」しか残らない)

以前書きましたユニクロ初めとする圧倒的な「客観」力。つまり、スタンダード化することで、ユニバーサルな存在になり、圧倒的にスケールすることでコストを下げ、価格に還元するだけでなく、質も向上させる、といった経営努力をしている。ここで言うようなサイゼリヤのような会社です。

もしくは、それがライバルだと気づいていると言う時点でこの村山さんの。レストランもきっと美味しいに違いありません。それは素晴らしいことです。

ただ記事でも書いてある通り、恐らくこのような考え方をしている。ガストロノミーのシェフはほとんどいないはずです。私も自身のスタートアップの実感としては、その意見に近い意見をもっています。ほとんどのガストロノミーはこういうふうに考えたこともないはずです。

圧倒的な主観を獲得することで、このような圧倒的客観に対抗することができる。そうなれない、自己満足としての、個別店はやはり難しいのだろうなというふうに思います

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