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スタートアップと創業者のお金

お疲れ様でございます。今日はスタートアップとお金について話したいと思います。

あるスタートアップでの忘年会

前、あるスタートアップに関して、創業者が、景気が悪いので、忘年会ではなく屋形船をやろうというふうに言っていたのですが、会社のお金ではなく自分のお金でやろうとしました。

それを私は結構強めに止めたのですが、その意思決定に関してほとんどの人から理解されず、苦しんだことがありました。

創業者が自分のポケットマネーで全社で屋形船忘年会をするのは何故ダメか

このケースでもこうじゃないケースでも自分のポケットマネーで、会社の忘年会をするのに何が悪いんだというふうに言われることがあります。勿論会社から貰った給料で、社員に勝手に奢るのはセーフです。

また、点だけを見れば、全員を呼んで、会社はむしろお金を負担しなくていいので、個人である創業者がマイナスになり、会社にプラスとのことになります。

なお、私がM&Aでジョインした非常に大きなグローバルな会社では、「自分のポケットマネーだからいいじゃないか」ということで、仕事のお金を出そうとするのを決してできないような仕組みになっていました。

なぜかというとそうやることでその時点ではマイナスになったとしても。ほかの面で、個人が得するような仕組みが作られているんじゃないかという疑念が生じるためです。

違う言い方をすると、個人と会社が、軽々に、お金の貸し借りをするな、それが公私混同の始まりだと言うことです。

また創業者の場合、事実上、自分の役員報酬はほぼお手盛りで決められるはずです。ということは、仮に自分で出したとしても、その後、役員報酬を引き上げることで事実上、お金を回収することができてしまいます。

そうすると完全なオーナー会社ならまだしも、他に株主がいる場合は利益相反が生じることになります。

では、どうすれば良かったか?

むしろ、正々堂々、会社のお金で屋形船はやればよかったのです。 この判断は直感に反するかもしれません。しかし。会社に負担をかけるのはよくないからなんてある種の綺麗事言ってますが、実際には会社が負担するようにしたら、色んな人から「それは会社が負担する合理性はあったのか」ということが詰められるので、合理性の説明に耐えられない状況だったので自分でお金を出したということが真実でしょう。

シンプルなルール。説明出来ないことはそもそもしない

それでも、会社が損してないんだからいいじゃないかという直感を振りかざす人が多いと思います。

が、会社が損していない得している、個人が損しているということは、何かしら、個人がどっか別の機会に反対給付を受けて得をしているということを暗示してしまうのです。

結局ルールはシンプルなのです。会社が仕事で行っているなれば、会社が負担すればいい。それがそもそも会社が実行する合理性を説明できないのであれば、それはそもそもやるべきではないのです(プライベートでやるのはセーフだが、社員全員を呼ぶなら、事実上それは会社のイベントでしょう)。

百円でも1万円でも100億円でも。その支払いに正当性があれば。払うことは全く問題ありません。

なお、もちろん会社からもらった給料で、個人的に人を招いてその範囲で奢ったりしてあげることは何ら問題ありません。おそらく普段のチームでの飲み会など上司が負担していることがあるかと思いますが。その奢った代金は会社に請求しているということはないはずです(懇親会としてきちんと請求している場合は除く)。それとまったく同じなのです。

ただ、それは会社が全社としては関わっていないというのが大前提になるのです。

直感に反するようなところがあるので。なかなかわかりづらいかもしれませんけども、とにかく会社としてのイベントの経費なのであれば、会社が負担する。

それが説明できないということは、何かしらやましい、ロジックが弱いことがある。

これだけのシンプルなルールをしっかり守れるというのが、スタートアップとしては重要になってくると思います。


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