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増子匠「エースの帰還」

「増子が戻ってくる!」

このニュースには私だけでなく、多くのアスフレファンが喜んでいました。今シーズンのアスフレ界隈には、明るいニュースがほとんどなかっただけに、その喜びはひとしおだったに違いありません。

1.増子の事情

そもそも、増子はBリーグ元年から4シーズン(2016~2020)、アスフレに所属していました。常に自ら仕掛ける攻撃的なハンドラーで、

「この男がボールを持つと何かが起こる」

そんなワクワクを観戦者に抱かせてくれる選手です。18-19シーズンには膝の前十字靭帯損傷があったものの、スキル・フィジカル・スタッツは年々向上しており、名実ともにアスフレのエースと呼べる存在にまで成長しました。

20-21シーズン、遂にB1の信州に移籍。自身の念願だったB1への挑戦が始まりました。

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しかし、信州では、プレイタイムをあまり得ることができませんでした。西山達哉を筆頭としたハンドラーたちとのポジション争いは、やはり厳しかったのでしょう。

そのうえ、限られたプレイタイムを得ても、ハンドラーではなく、スポットでシューターのように使われていました。エース(主役)からロールプレーヤー(脇役)へ。異なったスタイルを強いられた増子は、目立った活躍を残せず、徐々にプレイタイムが減っていきました。そして、シーズン中盤以降、試合に出場すらできなくなっていたのです。

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そんな状況で、古巣アスフレから期限付移籍のオファー。夢の舞台であるB1に残るのか、プレイタイムを優先して移籍するのか、相当迷ったそうです。

これは根拠のない推測でしかありませんが、スポーツ選手としては決して若くない年齢(30歳)を考慮して、ベンチから見る経験よりも、試合に出場して来季の契約に向けてアピールする道を選んだのではないでしょうか。

まぁ、理由はどうあれ、この決断が成功なのか、失敗なのか、それは増子が結果で示してくれるはずです。四の五の言わず、結果で語る。増子ってそういう奴ですからね。

2.アスフレ側の思惑

では、アスフレ側からこの移籍を見てみましょう。

現在、アスフレは「ペイントの得点」に苦戦しています。シュート入らないし、ファールも貰えない。けっこう絶望的な状態です。

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なぜ、こんなことになっているか。それは、ペイントの得点を外国籍選手のポストアップに頼りきっているからです。それも、文字通り”頼る”だけで、相手を崩すようなムーブはほとんどありません。

本来ならば、ハンドラーのピック&ロール等を絡めて、人とボールを動かしながら攻めたいはず。しかし、コーチと選手の能力が足りず、そういうバスケに昇華させられませんでした。そこで、フロントは現体制に見切りをつけ、「ペイントを攻められるハンドラー」の補強を画策したんだと思います。

「ペイントを攻められるハンドラー」、且つ、「オファーを受けてくれるかもしれない選手」。その条件にマッチするのが偶然にも元所属選手の増子だった、ということなんでしょうね。

以上が、増子の移籍に関するお話です。現時点では、双方にとってプラスになる良い移籍だったと評価しています。

3.増子の効果

さて、これを書いてる時点で増子の合流から3試合が経過しました。まだまだ連携面ではイマイチ部分が多いですが、増子個人としては、しっかりと”らしさ”を見せてくれています。

自分のドライブレーンにポストアップした外国籍選手をどかしたり、シューター岡田のムーブをデコイにしたり、自ら攻めるために周りを使う姿勢は、懐かしく、頼もしく、ワクワクしました。

思えば、今シーズンのチームには、ここまで我を通す選手は一人もいませんでした。皆、どこか窮屈そうで、縮こまったプレーばかり。ボールを押し付けあうかのように意図ないパス回しに終始し、外国籍選手か岡田が仕方なくタフショットを打つ。増子は、チーム内に漂う弱気なマインドを、ぶち壊してくれたんです。

はっきり言って、シュート成功確率はまだまだ低いです。勝ち星だって増えていません。それでも、増子の働きによってペイントタッチの回数は確実に増えています。他の選手がオープンでシュートを打つ機会も確実に増えています。それだけでも、今後に向けて期待を持てます。本当に、増子が戻ってきてくれて良かったです。

4.ラストピース

最後に、今後に向けてのお話を少しだけ。

外国籍選手2人、シューター岡田、ハンドラー増子。相手の注意を引けるコアメンバー4人が揃ったことにより、この4人以外の選手がオープンでシュートを打つ機会が増えました。そのシュートが安定して入れば、得点効率がもっと良くなるはずなんですが、いかんせん入りません。嘆きたくなるくらい入りません。

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もう一人、ラストピースには誰を選ぶか。コンディションが良くなってきている綿貫を選びたいところですが、そうなるとオンコートは全員がベテラン。未来に向けて動くべきチームとしては、あまりやりたくない選択です。そろそろ、若手軍団が爆発してくれると嬉しいんですが…。

では、アスフレの未来に向けて。
Go Win Z !!!






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