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復習Tシャツ

通常、ヒトと会った際には最初に顔から個人を認識していくのだが、一人だけ例外がいる。

彼女としてアイデンティティーを確定するには、まずその独自の感性によって選択されたティー型シャツを視界に捉え、脳が高速でその異様な布切れを把握し、それが彼女であることを知るのである。

今日も彼女は奇妙奇天烈、風変わりな服装を身体の一部分であるかの如く着こなして現れた。

「あら。ご機嫌いかがかしら。私はご機嫌だけれど」

言葉より先にTシャツを脳が処理する。小便小僧がピースしながら、水ではなくDNAを出していて、その周りに口ずさみたくなるような言葉が絶妙な配置で施されていた。そして、そのデザインのTシャツを小僧自身も着ており無限に続くアートになっている。

魑魅魍魎

ペペロンチーノ

はんだごて

窓際のとっとちゃん

ちくわぶ

どこかで見たような。

「前にもその服着てました?」

「あら、よく分かったわね。ありきたりな柄なのだけれど」

復習の成果が現れてよかった。

(410字)

今週も参加させていただきました!
読んでいただきありがとうございます。
引き続きよろしくお願いします。

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