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武藤達也
2024年6月20日 08:56
通常、ヒトと会った際には最初に顔から個人を認識していくのだが、一人だけ例外がいる。彼女としてアイデンティティーを確定するには、まずその独自の感性によって選択されたティー型シャツを視界に捉え、脳が高速でその異様な布切れを把握し、それが彼女であることを知るのである。今日も彼女は奇妙奇天烈、風変わりな服装を身体の一部分であるかの如く着こなして現れた。「あら。ご機嫌いかがかしら。私はご機嫌だけ