音楽の止め方
ゲームの中で音を止める時の止め方を工夫してみると良いかもという話。
鳴り終わりを強調させたり、 つぎの曲までに どう前の音を自然に止めるかといったこともデザインすると、より深く 印象に残る音にできるかもしれません。
音楽のよくある止め方
音楽の場合、急激に止めるとかではなく少しフェードアウトして止めると良かったりします。波形で録音されていて、最後まで再生しているのであれば、即時に止めても問題ないのですが、音が鳴っているレベルと無音との差があると プチ というノイズが発生してしまう場合があります。
音楽の場合は、中で使われている響きや、楽器の音色のリリースに合わせて止めてあげるとより、自然に感じられます。 (ただ、あまり長いと次の発音が始まってしまうところが聞こえてしまうので、調整がいろいろ必要になります)
ビートに合わせると気持ち良いかもしれない
これは、小節の頭とか、最後の小節とかで、フェードアウト開始するとちゃんと曲に合わせてフェードしているのだなぁという、少し機械的な動作を軽減することができるかもしれません。 これも音の内容にもよってしまうのですが。
音の止め方特殊なもの
フェードアウト、カットアウト(フェードの短いもの)は良くある止め方ですが、 このフェードの時間を変えたり、 音量以外の要素を変えていくと面白いものがあります。
あまりやりすぎると、ちょっと変なので、ここぞというところで使うといった感じになります。
ピッチを下げていく
テープとか、レコードとかの停止をしたときに、ピッチが下がりつつ止まっていくような演出。 かなり特殊なエフェクトになります。
ビートのかかったような曲とかで、これもフェード時間を長めとかにするか、即時に変えるのかとかありますが、DJのスクラッチのような効果になります。
また、再開するときに、ピッチを上げていくみたいなのも面白い。
ピッチの効果の場合、止め切らずに時間だけゆっくり動いているみたいな効果としても面白い。
フィルターを変えていく
高い方を削っていく = 低域が残っていく
低い方を削っていく = 高い音が残っていく
バンドパスのカットオフ周波数を下げていく・上げていく = おもしろいエフェクト。
飛ばし
アニメとかで、カットが切り替わる時に、 音を止めつつ 深い残響効果を付与するやりかた。
印象的な止まり方をする。
エフェクトのセンド先に、空間系のディレイとかでも面白いし、エフェクトの効果で、音の止まり方も変わっていくようになります。
次の展開が無音だったりした場合に 効果的です。
発音数を制御するために止める
ゲームの場合、発音リソースはなるべく少なくしておきたい場合があったり、
同じ話者の声は重ねないとか、
同じ音色系は重ねない(にごらせない)といった用途で、グループ化したもの同士で止めるような仕組みを作ることがあります。
同じ楽器が続くような遷移のところで、長いフェードとかを使ってしまうとかえって 次の展開の音とぶつかって音が濁ってしまうことがあるので、こういう場合は、そのパートだけでも音を即時に止めるといった方が、綺麗に聞こえます。
インパクト音を追加して止める
楽器だと太鼓とかシンバルとかで、普通に叩くと
ドーン とか パシャーーン とか長いのを 止めてあげると
ドッ! とか パシッ! という感じで しっかり決めて止まるみたいな感じにできます。
音を止めるタイミングで、べつの要素の音を重ねて鳴らすことで、音が終わりましたという感じを出せます。
ノートオフタイミングで鳴るような音、 例えば鍵盤の戻るときの音(はだいぶ弱音されていますが)ハープシコードとかのまた弦に振れて戻るみたいな音とか。
ずっと、鳴っていた音を、クラッシュシンバルとバスドラを重ねて止めるみたいなのも効果的です。 前の鳴っている音よりも大きな音でマスクすることで、不自然な位置で再生を停止しないといけない場合とかでも、自然に止まったように感じることができます。
インタラクティブに連結する
波形素材として用意してしまった音に対して、それぞれの止まり方の波形を連結して鳴らすといった場合は、手間がかかりすぎてしまうのですが、どうしても重要な場面などでは、そういうToCoda的な横の遷移をしてしまうのも手だったりします。
演出の終わりと、アウトロの部分がちゃんとつながって終わるととても気持ち良いです。
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