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サウンドのデバッグで「より良い音」を目指して

サウンドのデバッグ

デバッグとは、プログラム用語で、エラーやバグなど、想定と違う動作をしているものを直す作業。

調査だけであれば、プロファイルという場合もあります。

サウンドでも、変な音が鳴ったり、鳴り方がおかしかったりなど発生した場合、デバッグ作業があります。

ここでは、歴史を追ってざっくりと解説してみます。

オーケストラのデバッグ

クラシック音楽のオーケストラでいうと、デバッガー(デバッグをする人)は、指揮者かもしれない。

指揮者は、スコアをみて、各楽器が間違った音を鳴らしていないかどうか、
演奏の指示の解釈がずれていないかどうか、などを判断する。
全体の調子が正しく動くようにする。
また、どういう方向性にするかのディレクションも行っている。
各人がバラバラに良いことをしても合奏にはならない。
制作段階でより良い演奏をするための重要な人物になる。

録音時代のデバッグ

アナログのテープに録音する時のデバッグとしては、
レベルメータがある。

記録媒体の入力の許容範囲を超えてしまうと音は正しく記録できない。
また、あまりに低いと、記録媒体の性能を発揮しているともいえない。
ちょうどよいバランスで収録できることが望まれる。

録音時のレベルメータは、より良い録音データを作るための指針となる。

DTM(デスクトップミュージック)DAW(デジタルオーディオワークステーション)でのデバッグ

メータリング系のプラグインがいくつも存在する。
FFTの技術を応用して帯域ごとのレベルをみたり、
ステレオの広がり具合をみるといったものもある。

より良いミキシング・マスタリングのための機能として重宝する。

ゲームサウンドのデバッグ

ゲームの出力した音をDAWなどに通してリアルタイムで調査したり、
ラウドネスレベルを計測したりといったことが可能。

ゲームの場合、音がリアルタイムでミックスされるため、
個々の素材のレベルや、どういったリアルタイムバスを経由しているか
最終出力のレベルはどうかなど
見るべき場所は多々ある。

ゲームに実装される前の段階であれば、
ダイアログ(ボイス・セリフ)の各レベルを調査や調整するのであれば、
素材ごとのラウドネス計測が便利。

Voltとか重宝します。

各種ラウドネスメータなども重宝します。
一定時間計測して平均をとってある範囲に収まっていると、
ユーザがボリュームを都度調整しなくてもよいくらいの
心地良い音量レベルが保たれます。

これがうまくいかないと聞き取りにくい音が生まれてしまいます。
とくにセリフ内容は埋もれがちなので、調整が必要です。

テクニカルオーディオデザイナー・サウンドエンジニアの自分の仕事の範囲になります。

また、ゲームでは、効果音やBGMも同時に、再生されるため、
総合的な音量バランスの調整も重要になります。

すべての調整ができて、ゲームがリリースされると、
自分の作業は終わりです。

オーケストラの指揮者のように、もはや演奏会ではいなくてもよい存在になります。

より良いゲームサウンドを目指して。日々精進しています。

「ブレイゼンブレイズ」7/19にリリースします。
音も堪能していただければ幸い。

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