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酒の出ない居酒屋 〜コロナ禍の最中で〜

いつもの立花氷香です。
今回は少し前の話をします。

コロナ禍真っ最中のとき飲食店においては酒の提供に自粛を求められていました。
まあ、酒飲めばマスクを外して喋りまくるのが多々見受けられたので仕方ないと言えば仕方ないかも。

一方医療機関で働いている私らにとっては割と困ったもので、ただでさえ多忙で帰るのが遅くなる中で外食出来る場所が限られるのは困る訳で。
コンビニ弁当を食べ続ける日々も珍しくなかったのです。(仕事終わって自炊どころかスーパーも開いてない)

ある日仕事から帰る際に、居酒屋が開いてたのですよ。

「空いてる?」

初めての店だろうが気が向けば突入するのがこの私。

すると店主はこう言う。

「すいません、もう酒の提供は出来ないんです」

行政として酒の提供時間が決められていたためだ。
だが、そんなこと百も承知。
その時の私の気持ちは既に決まっている。

「酒はいいから飯は作れるのかい?」
私の言葉に店主の顔が変わる。
「もちろん、テイクアウトもいけますよ!」
あの笑顔に安堵を覚えたものだ。


コロナ禍でには医療関係者も飲食店も多くの人が振り回された。
商売の形を変えられ、自由と客を奪われた。
Uber eatsなど新しいものに対応出来ないところなんかは厳しかっただろう。
正直私は飲食業については門外漢である。
ただこの数年で無くなった店をいくつも見たので、厳しかったのは間違いない。
そして潰れた店が復活する様というのは私個人ではあまり見ない。

昨今京都の街に出れば以前のように沢山の人たちが歩いて活気を取り戻しつつあるとは思う。
ただ一方で潰れた店は空き家のままだったりする。
営業努力が足りないなんて安っぽい言葉は吐きたくない。
無くなった店の飯はもう食えない。
あるのはそんな現実だと思う。

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