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夏コミで戦うものは 〜C102 1日目レポートと〜

「“コミケは戦場”と必要以上に煽らないで」
今回のコミケ前のネットニュースにそんな記事があった。
 ふらっと行って楽しめるコミケが帰ってきたのだ。
 とはいえコミケの一般参加には3種類別れる。
 午前入場と午後入場、そして午前入場より早く入れるアーリー入場だ。
 私は今回午前入場のリストバンドを入手し、ビックサイトに向かった。


 台風の接近もありどうなるかと思われたが、8月12日の東京は晴れ。
 夏らしい眩しい日差しがりんかい線の駅を出た参加者達を照らす。
 しばらく進むと、行き先が書かれた看板が立っている。
 ここは迷わず東館へのルートを選択。
 案内通り進む。
 数年ぶりとはいえ変わらないコミケへの道があった。
 ただ違ったのは途中でアーリー組との分かれ道があったことだ。
 アーリー組は東館7の建物内に入っていく。
 午前入場の私が進んだ先にあったのは見慣れた東館横の駐車場だ。
 スタッフの指示に従い列を形成して開場まで座る。
 うん、自分が知るままの待機である。

 さて、そうなると開場までいかに自分の体調を保つかが夏コミの課題となる。
 座るも何も地面は焼けたアスファルト。直に座ると尻にその熱さを受けた。
 天気予報アプリを見ると気温は32℃とある。
 少しでも涼を得るためタオルを頭にかけ、駅前でもらったうちわで自分を扇ぐ。
 温いながらもまだ涼を得られる温度の風だ。
 あとは移動が始まるまでひたすら耐える。
 もちろん汗もかくので持参のポカリスエットをちびちびと口にして水分を確保した。

 周りを見るといろいろな人がいる。
 老若男女平等に開場を待っている。
 近くにいる中国人らしき人は何本もレッドブル飲みながら待っているが、この炎天下で大丈夫だろうか?

 コミケ開始から遅れること11時27分、ようやく私のいる列が動き出した。
 目の前には長い長い列がビックサイトへと繋がっていた。
 ……変わらない。
 数年ぶりのコミケで久しぶりの光景を見た。
 異なるのは途中でリストバンドを見せるため腕を挙げたくらいか。
 進んで突き当たって左に行く所でスタッフさんが軽快な口調で注意と、そして楽しみましょうという言葉を言い続けていた。
 かつてはこのユーモラスな言葉もスタッフの名言としてまとめられたものだ。

 ここまで来るとあとは東館に入るだけ。
 並んでいた集団も散り散りになる。

 ……私のコミケを楽しむとしようか。


 先のネットニュースにもあったがコミケの戦場感は減っていると思う。
 並ぶようなサークルの作品ならば昨今大抵ショップ委託されているので欲しいだけなら焦って手に入れる必要は薄い。
 一般入場も分散されたし、物見遊山するなら午後入場すればもっと楽に入れるだろう。
 無闇にハードルを上げるべきでは確かにない。
 ただ、準備する事を怠ってはならないのは改めて感じた。
 おそらく熱中症で車椅子で運ばれた人も何人か見た。
 夏コミなら暑さ、冬コミなら寒さが参加者を襲ってくる。
 男女年齢どころか国籍も違う人が集まるが、そこはオタとしての同士。
 ルールはパンフレットに書いてあるし、聞けばスタッフさんが親切に教えてくれる。

 コミケを戦場とするなら、戦うのは人ではなく環境じゃないだろうか。
 そんな事を考えながら反省点を踏まえて2日目に備えたい。

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