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手を入れただけ自然は応える

荒廃した3haの農業放棄地の開拓を始めて、3年と少しの月日が経った。
昨年の5月からは、ここ赤井川村に定住し、コツコツと宿泊施設開業に向けての準備を進めているわけだが、あいかわらず日々感動するのが、植物たちの変化だ。

笹、イタドリ、ヨシ、ヨモギ、フキなど、凶暴な繁殖力をもつ『先駆植物』たちを根気よく駆逐し続けると、やがてシロツメクサやタニギキョウ、クルマバソウといったかわいらしい草花が芽吹くようになる。もちろん、これらの草花も生命力旺盛な雑草であり、放置すればどんどん巨大化して景観を悪化させていくので、引き続きマメな草刈り作業は欠かせない。

2021年6月2日撮影
開拓をはじめて1ヶ月ほど経過した状態。
手前から生い茂っていた笹薮をここまで刈り込んだがまだまだ荒廃したかんじ。
手前がニセアカシアの樹、右手にウドの大株がみえる。積み重ねた丸太は、細い白樺を間伐したもの



雑草たちが最も成長するのは、当地の場合、6月から7月初旬頃。その間は、それこそ悪天候以外はほぼ毎日草刈り作業だ。なにしろ敷地が3haもあるので、順繰りに刈って始点に戻ってみれば、もうすでにそこは雑草祭りになっているという有り様。まさにエンドレス。
幸い、盛夏を迎える頃には草たちの成長のスピードが緩むので、暑くなる前にがんばっておけば、あとはラクになるというもの。昨今、北海道でも30℃超えの真夏日が珍しくなくなってきたので、真夏の屋外作業はできるだけ避けたいところである。


2023年8月4日撮影
笹薮だったところは刈った笹の葉もいつしかなくなり小さな草地が点在するように。
中央付近にあるのが前画像にも登場したウドの大株。病気になってこじんまりしてしまった


このように、山の景観の保全のためにはかなりの労力がかかるのだが、植生が変わって、見違えるほどフレンドリーな雰囲気になると、その努力が報われたような晴れ晴れとした気持ちなる。

山暮らしは、ヒトと自然の共生を実感する日々でもあるのだ。


2024年8月8日撮影
前年の画像とアングルが揃っていないのはご愛嬌として、点在していた草が広がっているのがわかる。
特になにかのタネを蒔いたということもなく、手を入れていると自然とこうなるのだ





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