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空観

お釈迦様は仰った…
常に.よく心に気を付け.何ものかを[我れ]なりと.固執する見解を打ち破り.世界を[空なり]と観察せよ…
そうすれば[死]をも乗り越える(超越)ことが出来るであろう…
この様に観ずる人を.死の魔王は見ることが出来ない…
一切は無常であり.無我であり.苦であり.空である…
【空観(シューニャ)】
全ての存在も.諸々の事象も.縁により起こるものであり.それぞれのもの自体に.固定的な実体はない…無自性
全ての存在も事象も相互依存の関係性により成り立っているのです…
つまりは.全ての物質も現象も.移ろいゆく我れと.移ろいゆく世界との縁起(因果律)の中での暫定的な出会いによる出来事に過ぎないのです…
それをその様に観じないから.苦が生まれ.苦がまとわりつくのです…

[心は万境に随いて転ず.転処.実に能く幽なり]
心は人生の中で.縁に従って転じているだけ…
一見.変わりばえない同じような出会いであっても.実は一生に一度しかない唯一瞬の新たなる出会いであり.計らい難く.幽玄で.奥深く.味わいと趣きのある出会いでもあり.死により始まるでなし.生により止むでない.悠久の流れ(輪廻)の束の間であるのです…

西洋思想の[我れ思うゆえに我れあり]という浅薄な実存論や.本来は依って成り立つ縁起を言う諸法実相を.提婆達多(ダイバダッタ)教団が大乗仏教に紛れ込ませた蓮華経による実在論的な諸法実相とか.在時に得体の知れない神仏への無明なバラモン信仰を否定されたお釈迦様や.龍樹(ナーガルジュナ)が説かれた空の思想を蔑ろにし.お釈迦様と龍樹(ナーガルジュナ)の名声と権威に依拠しながらも.バラモン教に再影響され.ガンダーラに於いてもミトラ教や拝火教(ゾロアスター教).景教(キリスト教)など神秘思想の洗礼をうけた.反仏教思想に基づく中国仏教や日本仏教は.先祖崇拝という意味不明な崇拝に根差した.見難く.微妙で.難解で.深遠な.如来の尊い神通によって見透された一源のエネルギーの悠久な流動を暗に否定してもいるのです…
エネルギーの悠久の流れ.心的エネルギーも然り…それこそが輪廻であり実相なのです…

輪廻とは果報であり.行くべき処.成るべき処へと再誕してゆくだけ…
例えば欲望に執着している業(カルマ)が.無欲恬淡に在る極楽や仏界に再誕したならば.極楽.仏界で地獄の苦しみを味わう事と成るでしょうから…

そもそもある日突然に人類が生じたわけでは無く.お猿さんが何万年もかけて少しずつ現世人類へと近づいてきた理由ですから.何処からがご先祖様なのでしょう…
正しくは.地中や海中のバクテリアもご先祖さまですし.地上では海から上がったウクチオスデガがご先祖様なのですからして…
つまりは耳障りは良いのですが[人類みな兄弟]も短絡.浅薄.無思考の言であり.生命みな親戚であり.他の犠牲の上に成り立っている以上.感謝すべきは得体の知れないご先祖様などではなく.他の全生命への感謝.崇拝.敬愛こそ忘れてはならないのです…

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