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準備と身体

アブラハムの住むサンタロサ村から日本に帰るには、サンイグナシオまで車で行き、空港のある街トリニダード(ここで1泊)へ、途中に大きな川を2回渡るのですが、雨が降ればフェリーが動かなくなるので、雨季の今は時間が全く読めません。川には橋がないので、フェリーで渡りますが、乗せられる車は1度に4台まで。
列に並んでひたすら順番を待ちます。

トリニダードからは飛行機でコチャバンバへ、乗り換えてラパスへ(ここで半泊)、AM3時の便でコロンビアのボコダへ、乗り換えてアメリカ・ヒューストン、そして東京です。
帰国するのに飛行機5回、船2回と車です…
出張が京都なら、東京から快適な新幹線で2時間。美味しいご飯も食べられます。やっぱり日本は良いですね。
なぜ、そこまでして世界中を周るのか?

・世界で起こっている真実を知ることが出来る

・物事の本質を見極められるようになる

これは大きいですよね。
今のところ、この2つを会得する方法として僕が思うのは

1. 準備。本当に必要な物が何であるか、それを見極める力。

南米に2週間行く場合、現地は標高4000m以上、0度以下になる富士山よりも高い場所から、35度の猛暑&毎日のスコールです。非常食、薬、カメラ2台と充電set、ノートPCにiPad、キャンプにも耐えられる1週間分の着替えに、コーヒーセットを持って行きます!
これらを、機内に持ち込めるサイズのバックパックと、手持ちの3way bagに詰めることが出来るでしょうか? 簡単に聞こえますが、これが結構難しいのです。
今までに僕よりも荷物が少なく、しかも必要な物は全て揃っている人は、1人しか会ったことがありませんから。

2. どんな状況にも耐えられる身体とメンタル。

時差と戦いながら、2~3時間の仮眠、4000m以上の高所で、頭痛と苦しさに耐えながらの移動につぐ移動。
35度の猛暑の中、3時間以上船の出発待ち。コンビニはないので、手持ちの水のみ。出発したと思えば、通行止めやトラブルでスケジュール変更です。
日本ではあおり運転のNewsを聞きますが、この状況をイライラせずに待つのは、忍耐力がいります。
農園に入れば殺人的な蚊の大群に襲われ、全身が湿疹でボコボコに。夜は痒さと熱で眠れなくなります。
当然、食欲はなくなりますが、口に入れた何かでお腹を壊し、そのまま体力がなくなっていくのです。
このような状況でも楽しめ、前向きに解決策を考えられるようになると、段々と物事の本質が見えてきます。

日本では、ちょっとした自分にとっての不都合や、予定の変更などを受け入れられない人を見ますが、残念ながら、そんなことでは世界では何一つ進みませんし、物事の本質を見極めるには、程遠い状態です。
世界中を周っていると自分の身体をコントロール出来るようになることが、仕事が出来るよりも重要で、生きる上で最も大切な能力だと分かります。

今回ちょっとした気付きがありました。
どうやら前回のボリビアくらいから、僕だけは蚊にあまり刺されなくなっているのです。もちろん刺されるのですが、刺されてもひどくならないのです。
時差ボケもなく、よく眠れ、食事もとれています。こっちでも生活出来るかも? と思うレベルです。

強敵の蚊は、どこにいっても30~40匹は、人の周りにいて、スタッフは200カ所以上刺され、全身腫れ上がり、気が狂いそうになっています。
その対策として、猛暑の中でもパンツは2枚重ねて履き、上着は3枚着て、ゴム手袋まではめているので、大量の汗をかいて体力を落としていくのです(ダイエットには良いですが)。
そんな中、僕は長袖を着るくらいです。
準備とは、物を選び、揃えられるだけではなく、自分の身体をコントロールすることでもあります。
5年前は、蚊に刺され身体中ボコボコになり、体力を奪われ、食事もあまりとれなかったのに比べれば、だいぶ進化しました!

この5年間で、僕の身体は何が変わったのか、引き続き、実験を続けていきたいと思います。

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