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「がまんをすれば 人のかなしみや くるしみが よくわかってくる」

がまんをするんだよ がまんをするんだよ
くやしいだろうがね そこをがまんを するんだよ
そうすれば 人のかなしみや くるしみが
よくわかって くるから
─ 相田 みつを ─

「20世紀の名言」からの引用です。


以前にもこれと似た名言に出会ったことがあって、それまでの自分の苦しみ、悔しさ、情けなさ、虚無感、もどかしさが無意味ではなかったと思えたことがある。


不器用な性格もあるからだけど、よく女性同士の人間関係に悩む。学生時代だと、クラスの仲良しグループ内の分裂とか、グループの中で順番に1人ずつ仲間外れにするとか、そういう類のやつ。社会人になってからだと、冷たくされるとか、周りの人に根も歯もない嘘を流されるとか、自分だけ他の人と明らかに違う態度をとられるとか。

全部が全部、みんながみんなそうじゃないかもしれないけど、女性は「自分がいちばんと思われたい」という人が多いんじゃないかな。「自分がいちばん必要とされている」「自分がいちばん人気がある」「自分がいちばん頼りにされている」「自分がいちばん慕われている」「自分がいちばん貢献している」「自分がいちばん仕事ができる」「自分がいちばんかわいい」とか、「自分がいちばんかわいそう」「自分がいちばん忙しい」「自分がいちばん助けが必要」「自分がいちばん守られるべき」とか。

その欲求は否定しない。老若男女問わず、誰でも承認欲求がある。もちろん私にだって。「いちばんになりたいから頑張る」は、向上心の源でもある。ただ、自分が女性だからか、女性のこの欲求が気になることが多い。

でも、欲求を他人に強要すると、おかしなことになるよね。「自分がいちばん人気がある」と思われたいからといって、みんなの関心を自分だけに集めることなんてできない。「自分がいちばんかわいい」は、人それぞれ好みは違うわけで、「自分がいちばんかわいそう」はさらにお手上げ。

本人の思うようにいかない時が厄介。自分で考え方を変えて解決してくれたらいいけど、モヤモヤを解消できず、イライラして周りのせいにしたり、八つ当たりするようになると大変。雰囲気が悪くなる。


なんとなーくだけど、私、八つ当たりのターゲットにされやすい気がする。不器用な私には自分のどういうところがそうさせてるのか分からないけど。

同期が女性3人、先輩が女性1人、後輩も女性だけ2人、上司たちは男性だけという環境にいたことがある。同期3人の仲は良好とは言えなかったね。2対1になったわけではなく、1対1対1だったけど、どちらからも敵対視されてた。成果主義の環境だったから、仲良しごっこじゃなくて切磋琢磨は必要だったけど、先輩や後輩を取り入ろうとしたり、根拠もない話で貶めようとしたりの連続だった。

学生時代に女子グループの付き合いに辟易していたので、学校という環境を卒業してからは、人とは距離を置くようになって、いざこざが起こっても「味方」を作ることはしなかった。

だからこの時も、攻撃してくる人たちと同じように「味方」を作ったり、嘘をでっちあげて攻撃したりしなかった。時々、周りの人が「こんなこと言ってるみたいだけど、本当?」と訊いてくれたりしたけど、「しんどいですねぇ」くらいは言うけど、弁明は特にしなかった。当時は、「相手と同じことをしたら、相手と同じになってしまう」と、踏みとどまっていた。

一方的に悪口を言われて苦しくなったり、言い返したくて我慢してもどかしくなったり、「この環境に居続けて意味あるのかな」と自分を否定したりしたけど、とにかく我慢した。「こんなにしんどいのに、我慢する方がバカなのか?」と悩んだこともあった。

そんな時に、「苦しい思いをしたことがある人は、人の痛みが分かる」みたいな言葉と出会って、このままでいいと思った。人をけなして成果を挙げても嬉しくないと思った。それよりは、人の痛みが分かる人になる方がいい。

結果的に、この時も、周りの人が徐々に私を支持してくれるようになった。うわさ話に流されず、冷静に判断してくれた周りの人たちも、いい人たちだったと思う。この時の経験は、私の成功体験の1つ。


自分が正しいと思うことを粛々とやる芯の強さを持ちたいな。最近は、「これが正しい」という信念を持たずに流されることもあるから、昔の自分を褒めたい時がある。楽して成功するのがいいかもしれないけど、人間くさい生き方も悪くないよね。



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