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「自分に自信が持てたときが、自分が何者でもないところから、若干何者かになれた瞬間だったのかもしれない」

――千葉さんと言えば、デビュー当時から今に至るまで、“可愛い”というイメージを持たれていると思いますが、パブリックイメージが先行することへの葛藤はありましたか?

千葉雄大 葛藤というか、面倒くさいなって思うことはありましたね(笑)。インタビューで「寝る前に何を飲みますか?」って聞かれて、「ハイボールですかね」って答えたら、「ホットミルクとかは…?」って聞かれたり(笑)。飲まないことはないけど、そういうイメージを求められて困ったことはありました。

――なるほど(笑)。そういったイメージに対する思いは、年を重ねるにつれ変化してきましたか?

千葉雄大 たとえばそうやって誘導されそうなときに、「またそうやって書こうとしてますよね~!?」とか、冗談で返せるようになったころから楽になりました。でもそうやっていたら、今度は「あざとい」とか「腹黒い」っていう別のワードがついちゃいましたけど(笑)。

――明確にふっきれたタイミングはあったんですか?

千葉雄大 ありました。でも、何の作品をやったからとか、そういう転機があったわけではないんです。ただ、俯瞰して振り返ってみると、ちょっとだけ自分に自信が持てたときなのかもしれないですね。現場でも「初めまして」より、「お久しぶりです」って言える人が増えたり。自分が何者でもないところから、若干何者かになれた瞬間がそこだったのかもしれないです。

ORICON NEWS


俳優・千葉雄大さんのインタビュー記事です。

他人から持たれるイメージに困るところは共感するところがあった。



他人に対して何らかのイメージを持つのはごくごく自然なことだ。

でも、イメージは良いものもあるけど、嫌なものもある。


私は「しっかりしてる」「賢そう」「真面目」と言われることがあるけど、そのイメージはあまり好きじゃない。

事実じゃないから。

本当の私はだらしないし、教養がない。


そして、そのイメージが「暗い」「堅い」「つまらない」の裏返しのように聞こえてしまうから好きじゃない。

それは、場面や状況によっては事実だから。

他の女性みたいにはしゃぐタイプではないし、気分屋に思われたくないからテンションを低めに設定しているし、誰とでも友達になれるタイプではないから、このイメージは間違ってない。

自分の本来の感覚や信念が嫌いなわけじゃないけど、本当は教養がないのを隠すためにしっかりしてるように見せかけてるのもあるし、笑い上戸なところもあるから、「つまらない」といったネガティブなイメージでしか切り取ってもらえないのは、もどかしい。

だからといって「本当の私はこうなんですよ」と弁明したいわけでもないので、他人から持たれたイメージどおりに振舞ってしまう。


そんな自分に疲れたのか、いつからか「分かってくれる人は分かってくれる。分かってくれる人が分かってくれればいい。」と思えるようになった。


そうすると、「怖そう」とか「気が強そう」といった別のイメージが加わったけど。


でも、前の会社にいる時の自分は、自分が「こう見られたい」という理想と同じイメージを持ってもらえることが多かったから、とても居心地がよかった。

男性が多かったし、若かったから、ちやほやしてもらえてたのかもしれない。

それを差し引いても、「怖そうって思われてるけど、本当は甘えんぼでしょ」とか「あまのじゃくだな」と言ってくる人が何人かいて、私の本質を分かってくれる人がいるんだと嬉しかった。

入社して年月が経つうちに、言葉を交わせる人が増えて、そんな会話ができるようになったのが大きいと思う。


転職してから、他人からのイメージと実際の自分のギャップが大きい状況に逆戻りしてしまった。

だけど、やっぱり入社した時と比べると、顔見知りも増えてるし、できる仕事も増えてきて、多少は「こう見られたい」という自分でいられることも増えた。


「分かってくれる人が分かってくれればいい。」

久々に思い出した、若かりし頃の私なりの処世術。



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