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「疲れている時は、物事の選択ができない」

人が一番疲れている時に
一番できなくなることは?
物事を選択することができなくなる。

心理学者 植木先生『ホンマでっか!?TV』


私にも心当たりがあります。そうなってしまった時があったから。

本当に心が疲れている時って、何がしたいのか、何をしたくないのか、自分の好き嫌いさえも分からなくなるし、何をしなければいけないのか、まったく考えられなくなる。


「この仕事の締め切りがこの日だから、今はここまで終わってないといけない。でも全然間に合ってない。どうやって進めようかな。他の仕事で急ぎのものはあったかな。どっちを先に片付けようかな」と、いろいろ考えるのは、まだ疲れのピークが来ていない時。

状況を全体的に把握して、細かいところで何を決めていかないといけないのか整理して、1つずつ判断していくことができる。


でも、本当に疲れてしまうと、「・・・」という思考回路。何も考えてない。上司や同僚から「これ、できてる?」と言われて、「すみません、ちょっとまだできてないです。」と、かろうじて言葉を発することができても、実際には思考回路は働いていない。資料に向き合ってみるものの、頭の中は「・・・」。

「その仕事をやる」という選択まではできても、データを集めるのか、資料の構成をアレンジするのか、資料の見栄えを良くするのか、他の部署にもコンセンサスとらないといけないのか、締め切りまでに全部できるのか、何かを削らないといけないのか、選択しないといけないことは山ほどあるのに、何も決められない。そもそもやらないといけないことが山ほどあることにすら気づいていない。

やらない理由を考えている状態の方がまだ元気な証拠。

何も進まずに時間だけが過ぎていく中、ある日、「あ、なんかやばい。何だろう、この感覚。よく分からないけど、なんかやばい。」という、それまでに感じたことのない違和感があって、席に座ってることすら無理になりそうな感覚に襲われた。

明らかにおかしかったので、休職覚悟で上司に不調を訴えた。上司は怒ることなく、別室で時間をとって2人きりで話を聞いてくれた。話を聞いたというよりは、私は何が原因で調子が悪くなったのか分からなかったので、話せることは何もなく、上司の話を聞いていたというのが実際のところかな。「昔はもっと大変だった」という内容だったので、あまり参考にはならなかったけど、怒ることなく、状況を理解してくれたので、救われた。


植木先生が言うように、「選ぶのが億劫になっていないか」を考えるのは、心の疲れを測るバロメーターになるんだね。思考停止になる前に、それに気付けると、何か対処できるかもしれないよね。

『ホンマでっか!?TV』では、洋服を買う時に、いつも同じような服を買うのか、冒険するのかという選択だった。本当に心が病んでしまう寸前まで行ってしまうと、遅いんだろうな。いつもと違う服装に挑戦したいと思うのかとか、食べたいものを訊かれて答えられるのかとか、不便に思っていることを改善しようと思うのかとか、日常の小さなことに気を配っておいた方がいいんだろうね。

自分の心を無視して、与えられた時間をただ生きていくのではなくて、自分の心が欲していることを、自分で選択して、行動に移して、自分で人生をコントロールしていきたい。



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