毎日マクラ「あ」☆アマビエ☆
※以下は、落語の冒頭でお話するマクラの部分です。基本的に全部ウソなので、ご了承ください。今日のテーマは「アマビエ」です。これをもとに喋ると、不思議なことに文章よりは少し面白くなります。
えー、というわけで。このアマビエというのは、すっかり有名になりましたけども、妖怪です。今いちばんホットな妖怪ですね。あの凄く燃えてる火の車の妖怪のやつよりもホットです。流行ってますね、ゴールドフィンガーくらい流行ってます。アチチって。
疫病の流行ったときに、このアマビエを描いた絵を見せると病気が退散するという、大変にありがたうさんくさい妖怪なんですけども。
確かに、見せられたらその場から退散したくなるような絵ってありますね。ラッセンのイルカです。あの絵が飾ってあるところ来ちゃったら「ヤバいな」って誰しも思いますよね。
で、このアマビエが確認されたのが江戸時代の肥後の国いまの熊本です。八代亜紀やウッチャンを生んだ大地として知られてますね。
こういう伝承なので、さぞや昔のことなのだろうと思われるかもしれませんが、1846年と、意外とそんなに古くないんです。明治になる20年くらい前ですから。
その頃には江戸では寄席も定着してたみたいですね。今日は文字なので豆知識的なことも入れると、老中水野忠邦の天保の改革という、贅沢を取り締まった期間が明けたばかりの頃です。有名どころですと、二代目の三遊亭圓生師匠が活躍されていたタイミングです。大大大先輩!!
さて、肥後の国の海の中にキラっと光るものがあるというんで、役人が、たぶん厚生省の人だと思うんですが、確認しにいくと海から出てきた。もうこれだけで、絶対に若人あきらが見つかったんだと思いますよね?
ところがこの、のちの我修院が言うわけですよ。
「私は海中に住むアマビエと申すものなり」
と、郷ひろみのそっくりの声で、言ったんだそうですね。私は海中に~とか長ったらしいですね、これがやがて洗練されて「郷でぃす!」だけになるんですけども。
で、なんか「これから疫病が流行るから私の姿を描いた絵を人々に見せよ」ってジャケットをこうやりながら(バサッ)言うんです。
それでこのアマビエの絵が東京スポーツの祖先である瓦版に載るわけですね。これをご覧になる方はネットユーザーさんですから、どんなのか見たことあるかと思います。
基本、魚と鳥を合わせたような生き物なんですが、ヘアスタイルが特徴的で、ロングヘアのワンレン?ていうんですか、とにかく魚と鳥にバブル期の浅野温子が入ったみたいな、どう見てもヤバい姿なんです。
絵を見せると良い効果があるって、今でいうと写真とかですかね。
少し前に、女子高生の間で「美輪明宏の画像を携帯の待ち受けにすると幸せになれる」みたいなのありましたよね?
その時よく出回った画像が、金髪ロングで全体的に黄色いやつなんですけども、よく考えたらその時の美輪さんてアマビエみたいなんですよ。アマビエだかメケメケだかわかりませんが。エンヤコラ。
皆さんもね、私オーラが見えるんですけど(笑)、ご自愛くださいね。
ということで、コロナにはアマビエより、ラッセンのイルカのほうが効くというお話でした。皆さんも秋葉原で版画を買ってくださいね!
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