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南部神楽ってなんですか?

郷土芸能の活動再開を願って

災害やコロナ禍の自粛制限による各地の祭りや催事の延期・中止、郷土芸能活動の披露の機会・コミュニケーションの場の減少、収入減によって活動の維持が困難になるなど、現状が長期化すればするほど、地域文化の担い手の活動休止や中断、モチベーション低下に至る可能性が高まります。
そこで、活動を応援する仕組みとして、郷土芸能など地域文化に関連する商品購入を通じた興味関心の向上、売上金を活動資金に充ててもらうこと、イベント等を企画し出演機会を創出することを目的に、郷土芸能応援ものづくりを企画、販売を開始しました。


今回は、東北の郷土芸能「南部神楽-なんぶかぐら-」を応援するものづくり【包想紙-HOSOSHI-】を発表します。東北で紙製パッケージの企画・製造を行いながら地域文化を支援し続けてきたスマッシュ(宮城県仙台市)と、東北を丹念にフィールドワークしながら制作を行う𠮷田勝信氏とともに共同製作しました。

■販売サイト「縦糸横糸のものづくり」https://tateyokoito.base.shop/items/38671974

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神楽 -人の”生きる”を支える舞- 

人々が生きていくために必要なこと、”食べる”こと。そして、平和な世界であること。集落や家や人の平和を祈り、生きる糧の豊穣を願って舞われてきた、神楽。

南部神楽ってなんですか?

岩手県と宮城県が接する地域には、“南部神楽(なんぶかぐら)”という郷土芸能が各地で多数伝わっていて、“おかぐら”と呼ばれて親しまれています。
その人気といったら、年間数十回もの“神楽大会”が開催されるほど。演目は神話や伝説などバラエティに富んで、各団体互いにその技芸を競い合っています。この競い合いこそが熱狂へとつながり、一般人とは思えないほどの卓越した、魅力ある南部神楽を支えています。
この地域にいると、どこからともなく太鼓と鉦(かね)の音が聞こえてきます。夜の集会所で、学校で、神社で、南部神楽の舞手たちが、練習をしている音です。そしてこの練習で集まりこそが、人々をつなぎ、地域をつなぐ原動力でもあるのです。

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東北にはたくさんの神楽が伝わっています。主に山伏、法印(ほういん)と呼ばれる修験者(しゅげんじゃ)が、大自然から身に付けた呪術や超能力的な力によって、五穀豊穣・大漁祈願、平和な生活、除災などを祈り願うため、舞ってきました。

そこから生まれた”南部神楽”は、岩手県南をルーツにして、岩手、宮城の県境域に広く流行している神楽です。秋の豊作祈願、感謝として神社のお祭りなどで舞われ、演目は「式舞」「劇舞」に大きく分けられます。式舞は、祭礼などで最初に奉納される儀式・儀礼的な舞、劇舞は、神話や地域の伝説、物語など演劇性が高い舞です。

豊富な演目と、舞手自らが語るセリフはまるで唄のよう、激しくスピード感あふれる太鼓とともに舞われる南部神楽は、農民たちの間で熱狂的な人気と憧れを誇って流行し、現在も熱烈なファンが集う競演会が各地で開催されるほどです。

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【包想紙 -HOSOSHI-】

地域文化が、郷土芸能が、神楽が、続いていくために。
その意味や意義を理解することはもちろんのこと、
何より”想い”を伝えることで、伝承者の気持ちは大きく変わります。
郷土芸能を観るのってタダ?気持ちや心付けを、
いつ?どうやって?誰に伝えるのがよいのかわからない。知りたい。
そんな声を、ここ数年よく耳にしてきました。
それならば、”渡したくなるきっかけ”があればよいのでは?
そんな発想から、さまざまなモノを包む紙袋【包想紙 -HOSOSHI-】が生まれました。

“南部神楽面”と”切り紙”

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南部神楽には、さまざまな神や人物、物の怪や動物が登場します。
演目や役柄によって特徴ある面を着け、”かっこいい””強そう””変化(へんげ)しそう”とか、その性格や展開を想像するのも楽しみのひとつ。
この面ももちろんのことながら手彫りで仕上げられます。舞手自らが彫り、色付けし、着けて舞うことも。

今回、多彩な登場キャラクターの中でも南部神楽に特徴的な、3つの面をモチーフにしました。

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1.「荒」 強い神や武士を表す大きく荒々しい面。阿吽(あうん)の口に注目
2.「女」 姫や女神の他、悪鬼や大蛇に変化する女性の心情を表した面
3.「動物」 狐や蛇など、舞手が人ではないものに変身するための面

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東北の神楽舞台の美しく荘厳な装飾や、御幣(ごへい)などによく見られる、“切り紙”のような技法で表現しました。

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この【包想紙 -HOSOSHI-】は、郷土芸能の意味の再発見や新たな興味につながることを願い、「人々の願いや想い」を知り、また、「私たちの願いや想い」を伝えるための封筒としてリ・デザインしたものです。

皆さまの願いや想いが、この封筒によって郷土芸能のもとに届き、 互いの交流につながることを切に願っています。
東北の神楽への”岩戸”を、ここからそっと開いてみてください。

売り上げの一部は地域課題や災害によって活動が衰退している地域文化団体へ奉納させていただくほか郷土芸能の出演・披露の機会を創出する企画に使用させていただきます。

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「包想紙」-HOSOSHI- 3舞(荒・女・動物)セット
¥ 1,200(税込)
カラー:アソート ※箔と色の組み合わせはお任せとさせてください
サイズ : B6変形(約W114×H184)

○販売サイト:縦糸横糸のものづくり https://tateyokoito.base.shop/

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●縦糸横糸合同会社   http://tateito-yokoito.com/

Facebook : https://www.facebook.com/tateyokoito
Twitter      : https://twitter.com/tateyokoitotk

有限会社スマッシュ   https://smash-sendai.jp/ 

1991年、宮城県仙台市で創立。紙製パッケージの企画と製造を主業務としながら、(いつの間にか・自然的に)東北の地域文化を支える団体や企業を支援する活動もするようになった。パッケージ製造で培われた印刷や打抜といった加工技術を活かして、人の心を豊かにするプロダクトを鋭意開発中。社名は、創業者が愛するスポーツから。

𠮷田勝信(Yoshida・Katsunobu) https://www.ysdktnb.com/

1987年、東京都新宿区生まれ。山形県を拠点にデザイン業を営む。グラフィックデザインを主な領域として、フィールドワークを取り入れた制作を行なっている。ブランディングやコンセプトメイキング、商品企画、サービス設計などに携わる。家業の染織工房では染材、繊維の採集やテキスタイルデザインを担っている。名前の「吉」は(土に口)。

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