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幻の越乃寒梅の別撰、想像以上に甘みを感じました。今回他の有名どころの日本酒とテイスティングの比較を出してみます。

日本酒の幻の銘酒を実際に比較テイスティングしてみました

皆様も幻の銘酒と言えばって話になると思いますが、昭和40年代以降って括りにした場合に思い浮かべるお酒は何でしょうか?昭和を生きた方々ならば越乃寒梅と答えはると思いますし、その他には八海山、久保田等の新潟酒、平成ならば、一番最初に登場するのは多分、十四代では無いかなって思います。

1、特選ゴールド賀茂鶴 大吟醸 (広島県)

ゴールド賀茂鶴 大吟醸

昭和の時代に一番最初に幻になったのがこちらのゴールド賀茂鶴の大吟醸酒って話を以前聞いたことが有りますし、金粉が入っているかどうかを別にしても、賀茂鶴さんの大吟醸酒ってのは飲んでも非常に美味しいお酒の代表格だと私は考えています。


日本酒テイスティングデータ
銘柄 特選ゴールド賀茂鶴 大吟醸 (広島県) やや辛口のお酒
香りは、原料香主体、清楚な果実香と淡いハーブ香有り
味わいは、柔らかくドライな飲み口、柔らかくなめらかな旨味が主体、後味はドライでスッキリ、スペアミントや和梨を思わせる含み香
このお酒の特徴 ドライでスッキリ、柔らかくなめらかな味わいの薫酒

未だにお使い物として重宝されていますけど、データとして見てみるとこんな感じになります。面白いのは、何だかんだで、吟醸酒でありながら味わいに柔らかさが有り甘味をはっきりと感じられる部分で、尚且つこちらのお酒が入手困難だったのは昭和50年代前後ですから、それなりに経済的にも徐々に余裕が出てきてはいるが、凄く余裕のある時代でも無かったと思います。一方で、一般的に本格的な吟醸酒が出回っていなかったので、この時代に置いては非常に重宝されたと思います。

2、出羽桜 桜花吟醸酒 火入

出羽桜 桜花 吟醸酒

日本酒テイスティングデータ
銘柄  出羽桜 桜花吟醸酒 火入 やや辛口のお酒
香りは、原料香主体、華やかな果実香と淡いハーブの香り有
味わいは、スッキリシャープな飲み口、シャープで清々しい苦みと酸味が主体、後味はキレよくスッキリしている、白桃やスペアミントを思わせる含み香
このお酒の特徴 シャープでスッキリした味わいの薫酒

こちらは出羽桜桜花吟醸酒(火入れ)で、1980年(昭和55年)発売の吟醸酒、まだ世間一般に吟醸酒と言う言葉が定着していない頃に発売され、フルーティーで華やかな果実香とスッキリした飲み口が特徴のお酒です。発売当初は出羽桜中吟として発売され、吟醸酒ブームの火付け役になったお酒で、かつて地酒人気銘柄ランキングで12年連続吟醸酒部門日本一に輝きました。「マックスファクター化粧品"SK-Ⅱ"の香りサンプル」「英国最古のワイン商で王室御用達のBB&R社が初めて扱う日本酒」に採用されています。

3、越乃寒梅 別撰 吟醸酒 (新潟県)

別撰 越乃寒梅

日本酒テイスティングデータ
銘柄 越乃寒梅 別撰 吟醸酒 (新潟県) 辛口のお酒です
香りは、 原料香主体、清楚でスッキリした果実香と淡く青いハーブ香有
味わいは、柔らかくなめらかな飲み口、ふわりと柔らかい旨味が主体、後味はドライでスッキリ、白桃やスダチ、クールミントを思わせる含み香
このお酒の特徴 柔らかくなめらか、後味がドライでスッキリした薫爽酒

こちらは、越乃寒梅の別撰 吟醸酒、かつては特別本醸造扱いでしたが現在は吟醸酒として販売されています。昭和40年代後半~50年代前半にかけ新潟酒は「淡麗辛口」に急激に変わり、地酒ブームを巻き起こしいくつもの幻の酒が登場して全国を席巻しました。その淡麗辛口の新潟酒の火付け役になったのがこちらの越乃寒梅の別撰のお酒です。今では有り得ないですが、越乃寒梅の空瓶が一本数千円で取引された時期もあったほどです。越乃寒梅を造るに当たっては一切の妥協を排除して造られていたようで、高品質の吟醸酒造りに情熱を燃やして取り組んでしたようです。

4、八海山 吟醸酒 (新潟県)

八海山 吟醸

日本酒テイスティングデータ
銘柄  八海山 吟醸酒 (新潟県) 辛口のお酒です
香りは、原料香主体、淡い果実香と淡いハーブ香有
味わいは、スッキリ爽やかな飲み口、キレよくスッキリした苦味と酸味が主体、後味はスッキリキレる、スウィーティーやクールミントを思わせる含み香
このお酒の特徴 スッキリ爽やかでキレの良い爽酒

こちらも新潟酒ではどちらかと言えば後発組に入るお酒ですが、先日亡くなられた醸造技師の嶋 悌司氏を招聘したり、酒蔵の近代化を進め、製造会社と販売会社を分離する等、非常にモダンな経営形態をとりつつ、酒質の向上にも努め、大阪では、営業所内で日本酒の勉強会を開くなど、独自の手法で品質の高いお酒を造り上げてきた会社だと思います。ただ、現在では非常に人気が高い銘柄として日本酒ファンを楽しませています。同じ辛口のお酒でも、越乃寒梅の別撰がやや甘味を感じるのに対して、こちらの方が味はスッキリ爽やかです。

5、十四代 本醸造 本丸 生詰 (山形県)

十四代 本丸

日本酒テイスティングデータ
銘柄 十四代 本醸造 本丸 生詰 (山形県) やや甘口のお酒です
香りは、原料香主体、清楚な果実香と淡いハーブ香有
味わいは、柔らかでスッキリとした飲み口、繊細でなめらかな旨味と甘味が主体、後味は爽やかでスッキリ、スウィーティーやクールミントを思わせる含み香
このお酒の特徴 爽やかでスッキリ、繊細で滑らかな味わいの薫爽酒

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