「さざえは壺焼き、セリは炒めた(?)日本人」~弥生の旬(2015年3月)
●私こと、山野亜紀が買い集めた資料によれば★
「栄螺(さざえ、又は「さざい」とも)」を、食材紹介した資料が、全く無く。 (^▽^;)
・・・その代わりに、調理法の紹介記事にて(!)
「壺焼き、又は壺煎り(つぼいり)とも」と書いてある傍にあるのが、サザエさんの絵が添えてあり・・・★
なのでどうやら、現在もそうかも知れないのですが(!)
サザエさんの代表的な調理法というのが、どうもこの・・・壺焼きのようなんですね。 👀
「和心きらりレシピ」でもご紹介をしている「壺焼き」なんですが、調理法としては2種類あるようで。
まず一つは、さざえなどの巻貝の「肉を殻ごと焼く方法」と。
これとは別に、殻から肉を取り出して薄く切り、別に具材(銀杏や芹、蒲鉾なんか)を加えてから(!)
また貝殻に戻して、煮汁をかけて焼くモノと2種類あるそう。 (゜-゜)
さてサザエさんですが、産卵前が特に美味しいそうなんです。 👀
雛祭りの辺りが、もっとも味が良いのだとも・・・♡
お江戸は三代将軍・家光の頃に出版されたなる「料理物語」という、食材と当時の調理法を紹介した書物にも紹介されているくらい、さざえさんって、日本には馴染深い食べ物のようです。 (^-^)
●ところでさざえさんって、写真を見ればわかりますが、身の部分に「蓋」がありますよね。
その他には、貝柱にひも、肝がありますが、この肝と身を混ぜて壺焼きにすれば、「苦焼き」と呼ばれるようになります。 👀
形の小さなモノを巷では、「姫さざえ」なんて呼んでいるそうですが、こんな名前の品種は実はないそう★
私達がよく食べているさざえさんは、リュウテンサザエ科の巻貝だそう。
よく、静かで穏やかな海で育つと、つるっとした巻貝に成長し。
荒々しい海なら、その殻はツノだらけになるとも聞きますが、これに余り信憑性はないらしく★
・・・今ではどうも、遺伝子のせいじゃないか、なんて言われているようです。 (゜-゜)
さざえさんは生まれるとすぐは、水深30センチ程度の辺り、浅い場所でお暮しになります。 👀
大きくなってくると今度は、より深く潜った辺りを好んで暮らしているよう。
夜行性で、夜になれば岩礁で海藻などを召し上がるんだそうで、その身が美味しいせいか・・・?
まだまだ小さい間は、ヒトデや蟹なんかに狙われておられ。 (-_-;)
・・・大きくなれば今度は、クロダイやらネコザメ、タコなんかにも狙われてしまいます★
ネコザメ(上記写真参照★)なんか、「サザエ割り」という別名を持っているくらい(!)
サザエさんが、大好きらしいんですね。
●ところでさざえさんは、北海道は南部から、南は九州や朝鮮半島南部まで生息。 👀
またさざえさんは、「食べるモノで、その殻の色を変える」そうで(!)
・・・だから、殻の色が黄色っぽかったり、黒っぽかったりするそう。
さざえさん、そんなお方なんですが、他の巻貝に比べると、栄養価的には・・・格段にタンパク質やビタミン類を多く含む割には、糖質は少なく。
また亜鉛を多く含んでおられるので、味覚障害や肌荒れ、抜け毛なども防いで下さいます♡
コラーゲンも多くて、皮膚の老化やスキンケアに効果ありの・・・さざえさんなんですが。
肝(つまり内臓部分)を食べると、アレルギー反応を起こす方もおられるとか。
・・・そこだけ、どうぞお気を付けくださいませ。 (´_`。)
●ところで日本では・・・さざえさん、別の方面で活躍しておられる場合も。
建物になりますが、「栄螺堂(仏堂で、内部の階段が螺旋状)」と呼ばれるモノがあったりしますし。
この階段部分がまた、「栄螺梯子(さざいばしご)」と呼ばれているとか★
はたまた、「栄螺打ち」というのがありまして、これは戸外で行う遊戯の一つ。
・・・何でも、地面に一つ輪を描いておいて、サザエの殻を幾つか、その中に置いておきます。
それから今度は、円の外から別のサザエの殻を投げ入れます。
中のサザエの殻に当たれば、これを取るという・・・多分、海辺の子供の遊びなのではないでしょうか。 (゜-゜)
また「栄螺殻」という言葉があるそうで、これは「握りこぶしの別称」。
今も、人形浄瑠璃の一説に謡われているそう。 (゜-゜)
またサザエの殻に油を入れれば、これまた、行燈に早変わり♡
「栄螺の灯火」と、呼ばれていたんだそうですね。
・・・なんだか、以外に生活に密着している「さざえさん」なんですが、俳句の季語でいえば、こちらは「春を差す言葉」なんだそう。 👀
これから共にあって、楽しんでいきたいお方です♡
●さて今度は、ゼリに話を移していきましょう。
春の七草にも数えられているセリさんなんですが、こちらは数少ない、日本原産の蔬菜です。
現代では、「栽培品と野生品が、商店では混ざって売られている」そうですが、野生のモノは、日当たりの良い水辺や湿地で自生をするそう。 👀
ですがやっぱり、芹田(せりた)で作った栽培モノの方が、アクが少なくて美味しいのだとか。 (^-^)
セリは、古くは万葉集の歌にも詠まれているくらいに日本人とは馴染みが深いのですが、その名の由来は、一箇所に競りあって生えている事からだとも。 👀
・・・これにも幾つか、説はあるようです。
●さて、話は変わりますが。
お江戸の頃の本草書とされる「本朝食鑑(1697)」なんですがこちらは、当時の日本食材を紹介する書物です。 👀
その食品類の中にも、セリには毒が有るとか、無いとか・・・?
栄養方面についてはもちろん、その食べ方までも紹介をされているんだそうですが、これには2種類ありましして。 😅💦
「水セリ」と「早セリ」とに分けられていて、赤セリ(写真・下)は不味いけれども、白セリの方は柔らかくて、しかも香気があって美味しいと記されているそう。 👀
ただどうしても水辺に生える植物なので、虫卵に汚染されてしまう事があるので、生食はせぬ事と。
当時の書物には、書かれているようです。 👀
・・・さてセリさん、食用はもちろん、他にも例えば神饌に、また薬用としても活躍が・・・?
滋養強壮に解熱に、消化剤にと、はたまた婦人病薬としても使われていたのだとか。 👀
●さてセリの栽培についてなんですが。
セリさん、湿地などに畔作りをしてから、根を植えて育てるんだそうですね。 👀
「湧水の場でも育つ」らしくて、こんなお話があるそうです。
豊臣秀吉が、京を守るために周囲をぐるりと「お土居(城でいう処の城郭、土を積み上げて作る)」に取り掛かっていると、水の湧き出る場所がある。
・・・そこで試しにセリを植えてみた処、思う以上に良く育ったので手をかけ、後にそれは京都に住む庶民の冬の食卓をたいそう賑わして、冬の貴重なビタミン源として活躍をしたとか。 👀
今でも京都には、この芹田が残っているんだそうです♡ (^-^)
そんな・・・セリなんですが、お江戸の当時の料理書には、「芹焼き(!)」なるレシピが記されています。 👀
もともとは焼石の上で、芹を蒸し焼きにしたモノのようなんですが、これは遡って・・・なんと(!)
「室町の末期頃には、すでにあった調理法」のようで、その材料も、当時はなんと芹だけ!
これが「焼き石を使っての、石焼き」から「鍋焼き」へと変っていき、 結局は「湯搔いての、野菜の浸し物レシピ」へと変わっていくのだそうですが、その名前だけは・・・頑固にも「芹焼き(!)」なんですねぇ・・・なんとまぁ、びっくり★ (´_`。)
●初めは「芹を焼いての、芹焼き」だったレシピが、だんだんと形が変っていって★
料理書でも、江戸後期になっても、「芹焼きは、基本のレシピ」だったようで。
例えば、「独活焼き、長うど針に刻みて、芹焼きの如くする」などと書かれるように★ 👀
・・・日本全国、どこの山野にもセリさん、自生をしていて。
しかも、栽培までしやすかったお方ですから・・・♡
稲の周りに植えるなどしてセリさん、古くから日本ではたいそう、楽しまれていたようですね♡
そんな・・・セリさんですが。
そこはやはり栽培種よりも、野生の方が栄養効果は高い(!)んだそう。 👀
11月頃から新葉が伸びてきて、翌年の夏には花を咲かせますが、あの「セリさんの独特の香り」はミリスチンとカンフェンといった精油成分だそう。
こちらは「胃を丈夫にして」くれますし、発汗や解熱、解毒にまで効果があるんだとか♡ (〃∇〃)
●またセリさんはカロテンを多く含んでおられて、これは粘膜を丈夫にしてくれるので免疫力アップに効果あり♡
また、含まれる葉酸や鉄分が、貧血予防や美肌にもパワーを発揮して下さいます♡
・・・血圧を下げるカリウムや、ビタミンCやカルシウムも多いんですが、栽培種はやーっぱり野生に比べると、このビタミンCや香り成分が弱いんだそうです。 😅💦
また野生のモノだと、とにかくアクが強いので、塩茹でしてから、水にさらします。
・・・ですが、 栽培種なら塩茹でのみでOKですよー♡ (^-^)
ただ、ここだけはご注意を!
セリさんに実によく似た「毒芹という毒草(!)」もあるのだそうで、とにかくそこだけには要注意(!)
・・・見分けどころは、こちらは芹独特の香りがなくって、地下茎には(上の写真の如くに★)タケノコ状の節があるそう。 👀
俳句などの「春の季語」にも選ばれる、セリとさざえ♡
春の息吹と共に、楽しみながら、慈しみながら、健康にも役立てていきたいものですよね。 (^_^)/
(2015.3.1 文責・山野亜紀)
〇2015年3月のお膳
※「和心きらり(http://wagokoro-kirari.tokyo/)」より転載
・・・700以上のレシピ・旬エッセイ・ブログを現在、移築中。😅
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