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ていたらく出版

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桃之字の書いた小説やそれにまつわるコンテンツのまとめ▼ 各作品の目次は【総合目次】を参照してください▼
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#逆噴射小説大賞

ていたらく出版 総合目次

 初めての方は初めまして、いつもの方はご機嫌麗しゅう。桃之字です。  本記事は、桃之字が…

妖怪レジスタンス 第1話"神威アキラという男"

 "千人猛将"オルガンシュタインはその身を真っ二つに裂かれて斃れた。  "鬼神"フュンフは全…

雛崎さんちの幽霊家族

 包丁、ハサミ、カッターナイフ、爪切り、髭剃り、カミソリ…ありとあらゆる刃物が空中で静止…

夜叉ノ町 章ノ一

夜叉ノ町  はじめから  ▷つづきから  押し入れに眠っていたニンテンドーDSに、見覚えのな…

21XX年プロポーズの旅 (1)

 ──付き合って2年の記念日に、ちょっと良いところに旅行に行こう。  そんな提案をきっか…

ノービス・クエスト 第1話「魔王がかなり優秀そう」

 ──勇者様、私の声が聞こえますか? 私たちの国が、いや、世界が、危機に陥っています。ど…

Ymir-ユミル- 第1話『怪盗シロウサギ』

 高さ300mの大樹の上。朝焼けに向かって、彼女は飛び出した。  風が頬を撫ぜ、日の光が彼女を照らす。 「ああ、なんて心地良いのだろう!」  彼女は落下しながら、おそらく生まれて初めて、腹の底から笑った。  彼女はユミル。100年ほど前に魔法によって作られた、魔法生物だ。  ──お前はヴァンパイア。日の光を浴びたら死んでしまうよ。  創造主の言葉がユミルの脳裏をよぎる。しかし、日の光を全身に浴びても、彼女は生きていた。 「ハッハハ、お笑いだ。本当に、お笑いだ」 「な? だ

砂塵の魔女が生まれた日

 10年前まで、この世界には魔王がいた。  最後の戦いの時、魔王は世界中の魔力を吸い上げて…

バッカス・ザ・トレジャーハンター 第1話

「これは俺の持論だがな。酒場に行けばその町がわかる」  フードを被ったその男は、店の入り…

「彼の名は殺人鬼"カオナシ"です」

 カフェで、スーツを着た女が泣きながら電話している。  テーブルの上に手帳を開いてなにや…

龍の住処へ至る道 第1話

 東の山の向こうに”翠の龍”がいるという言い伝えは、じーちゃんのそのまたじーちゃんよりも…

99God on the Rock[キューキューゴッド・オン・ザ・ロック] #1

『頭が高いぞニンゲンども。神の一種たるこのツクモ様より高い視点からものを言うとは何事だ。…

任侠IT通信講座 第1回

『テメェドコノクミ゛ガビバババ』  組員ドローンにマルウェアを流し込み、黙らせることに成…

碧空戦士アマガサ 第1話

 空は青いのに土砂降りの雨が降っているし、周囲の水溜りは"底なし"で人々が沈んでいくし、目の前には刀を持った怪人がいる──異常事態の連続に、晴香は自分が夢を見ているのかと思った。  しかし、袈裟斬りにされた痛みが、吹き上がる血の匂いが、否応無しに現実を突きつけてくる。  その怪人は、自らを"雨狐"と呼称していた。  顔と狐面が一体化し、髪はなく、代わりに頭部を黒い鱗が覆っている。着流した白い浴衣の隙間から見える皮膚も同様だ。足元は水を入れすぎた絵の具のように滲んでおり、