装震拳士グラライザー(68) Prototype
全力の正拳突きが怪人の腹に突き刺さり、爆発四散せしめた。これで五体。目視範囲に敵影なし。生体センサーも反応なし。
殲滅完了。
俺は残心を解き、ベルトからライズナックルを引き抜いた。全身を覆うメタルスーツが音を立てて展開、光の粒子となって消失する。
「ふぅ」
俺は息を吐き、拳を握ったり解いたりして具合を確かめる。骨ばった、皺だらけの拳だ。よく言えば50年モノのヴィンテージ品は、戦の反動で若干軋んでいる。老いたもんだ。
「銭湯でも行くかねぇ……」
呟きながら