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THINK SIMPLY 最先端研究で導きだされた考えすぎない人の考え方

ご覧いただきありがとうございます。たけぞーです。今日紹介する本は、堀田秀吾氏著「THINK SIMPLY 最先端研究で導きだされた考えすぎない人の考え方」です。


1. 本を選んだ目的

・シンプルに物事を考えたい
・色々考えるけど、結局最初に考えたことが正解だったことがよくある
・考えることは大事だけど、考えすぎて結局行動できないことがある

こういった考えがあった私にとって、本を見た瞬間に「ポチッ」としていました。「この本を読めばこういった考えが解決するのではないか」そういった思いからこの本を選びました。

2.本を読んで気づいたこと

①人は「〜したい」から動くのではなく、「〜になるのが怖い」から動く

自分の命を守るため、家族の命を守るため、私たちは「不安」という機能を使って生きてきたのです。不安があるから、新しいものを警戒しますし、より優位に立ちたいと思います。不安を解消するために、ラクに安心できる方法を探し求めるのです。
つまり、何かを怖いと思う気持ちも、何かをしたいという欲求も、すべては不安から起きるものだと考えられています。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

仕事とかではこういう気持ちになることがあります。「やりたくないけど、これやらないとまずい」とか「間に合わないと顧客に迷惑がかかる」とか。一方で「火事場の馬鹿力」が発揮されるのも追い込まれた時です。集中力や思考力が研ぎ澄まされる感覚は仕事をしていると誰にでもあると思います。ですので、「不安だから動く」という点については納得です。

将来の資産形成も同じですね。「お金を貯めたい」という欲求を分解していくと、「お金がないと生活できない」→「老いてくると働けなくなり、今までのようにお金を稼げなくなる」→「だからお金を貯めたい」こういった思考に分解できます。つまりは、「お金を稼げなくなる不安」が引き起こした行動ということですね。

ただ、プライベートや趣味については一部「好奇心」によって動くものだと思いますので、全てに当てはまるわけではないと個人的に思います。

筆者も述べていますが、「先のわからない未来」や「他人の言動」あるいは「ネガティブな情報」など、人は「ネガティビティ・バイアス」によって考えるほど不安になるそうです。
つまり、不安になることは人として当たり前のことなんですね。

要は「不安にならないようにしようではなく、不安とうまく付き合っていこう」これぐらいの気持ちの方がいいということでしょうか。

②心配事の79%は実際には起こらず、16%の出来事は事前に準備を起こしていれば対処可能

ちなみに残りの5%は未曾有の天災など、自分ではどうしようもないことだそうです。
確かに、起きた問題自体に対して悩んでいるのでなく、まだ起きていない未来について考え続けているという筆者の考えには共感します。

さらに筆者はこう述べています。

人は短期的には「やってしまった」ことに対する後悔をよく覚えているが、長期的には「やらなかったこと」への後悔を強く覚えていることがわかりました。
さらに、行動しなかったことに対する後悔は、時間の経過とともに高まっていく傾向があることがわかりました。
「やらない後悔」より「やる後悔」だと言いますが、長いスパンで人生を見ていると、どうやらこれは真実のようなのです。
同じ悩むであれば、積極的に悩むことが重要です。「解決できなかったらどうしよう」ではなく、「どうすれば解決できるか」と行動をベースに考えてみてください。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

悩むことが悪いとは思いません。

でもどうせ悩むならプラスの方向に悩まないと物事は良い方向に進んでいかないと思います。

③「幸福に必要なことは、心身が集中することである」

この本で一番感銘を受けた部分です。

「幸福になりたい」と思うことはあっても、「そもそも幸福とはなにか」って難しい質問だと思います。ですが、「時間を忘れるほど集中できる趣味」や「家族と過ごすあっという間の休日」というのは確かに幸福な時間です。

一方で「やりたくない」とか「イヤだなぁ」と思っていると、時間が過ぎるのがものすごく遅く感じます。

「手をつけない限りやる気など起きない、集中などできないというのが今の脳科学でわかっているやる気のメカニズムなのです。とすると、集中するには「イヤだなぁ」と思う部分を減らし、さっさと作業に移ってしまうことに尽きます。このサイクルを早めることが考えすぎとふせぎ、結果的に幸福感を高めることにもつながります。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

勉強にしても最初が肝心。
気持ちが乗らなくても、とりあえず整理された机に向かってテキストを開く。これだけでスイッチが入ることも実体験からよくあります。

要は「とりあえずやってみる」という行為がやる気スイッチなんですね。

④コイン投げの結果が表だろうが裏だろうが、悩みの解決に向かって何かしら行動を起こした人は、半年後の幸福度が高い

最近自分自身に言い聞かせている言葉に「選択したのは自分だし、選択自体に意味なんてない。選択したものを正解に、選択しなかったものを不正解にすればいい」という言葉があります。
このニュアンスに近いことを筆者は述べているんだと思います。

つまり、決断においては「どう決めるか」ではなく、「そもそも決められるかどうか」の方が重要だということです。やると決める、やらないと決める、そうして腹をくくることが結局のところ人生の満足度を大きく左右します。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

要は「決めないと何も始まらないし、決めてしまえばあとはやるしかない」といったことだと解釈します。

⑤情けは人の為ならず(親切はまわりまわって自分に返ってくる)

これを期待して人に親切にする人は少ないと思いますが、不思議なものでこのことわざは当てはまることが多いと思います。

でも親切にするときって、思考ではなく体が勝手に動いたといったような「本能」で行うことが多いのではないでしょうか?

社会心理学的にも、「好意の返報性」といって、人は好意的に接してくれる人には好意的に接し返すという傾向があることがわかっています。
人は一人で生きているのではありません。夏目漱石の『草枕』の冒頭に「知に働けば角が立つ」とあるように、理知的すぎると人間関係には摩擦が起きてしまうのです。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

さらに筆者は「損得は思考で利他は本能。2つのバランス感覚が人生の選択肢を増やすことにつながる」とも述べています。

私個人としては、シンプルに「人にありがとうと言われれば嬉しい。だから親切にする」といった所でしょうか。

⑥情報を過剰に入れるから悩むし考えてしまう。心が乱れているとき、疲れているときは、情報量を絞る

疲れている時に、ぼーっと携帯を開いてSNSやニュースを何気なくみていることって誰にでもあると思います。もちろん私も。でもそういう時に限って自分を不安にさせる情報が入ってきてしまうんですよね。

これだけネットワークが広がった現代社会では、大抵のことはGoogleで調べることができます。一方、知らなくていい情報でさえも取得できてしまいます。

さらに情報は多ければ多い方がいいわけではありません。
むしろ、情報が多すぎて選択肢が広がりすぎてしまい決められない。こういった負のスパイラルに陥ることもあるのではないでしょうか?

人は「社会的比較」を行う生き物です。つまり、周囲のことを見ることで、自分がどのへんにいるのかという立ち位置を明確にしようとします。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

猿山と同じで、比較しないようにしても比較してしまうのが人間です。

でもそのことを自覚していれば「人間だもの。仕方ないよね」と開き直ることができるのではないでしょうか?

⑦幸福にもっとも影響を与えるのは人間関係。そして、いい人間関係にはポジティブな態度が重要である

「人は一人では生きていけない」コロナ禍で在宅ワークやリモートワークで改めてそう感じた人が多いのではないでしょうか?
私自身、このnoteを書いている現在が在宅ワーク期間中。私は4日間と短いですが、これが1ヶ月や半年と続くことを想像しただけで辛くなります。

対人関係がうまくいっている(信頼できる人がそばにいる)状況では、緊張がほどけて脳が健康に保たれる、心身の苦痛がやわらげられる効果が見られた一方、孤独を感じる人は病気になる確率が高く、寿命が短くなる傾向も見られました。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

人生の最終的な勝ち負けなんていうのはないも同然です。財産も、恋愛も、肩書も、ステータスというのは一瞬の間不安を遠ざけるものに過ぎず、本質的には問題を解決してくれないのです。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

職場でもそうですが、嫌な上司がいるとそちらに気が散ってしまい仕事に集中できません。

「私はこう思うけど、上司がこう思うんではないか」「これが正解だけど、多分こういう言い方がをしないと決裁もらえないのではないか」こういった状況では本来の力を発揮することができません。

よく年収や肩書でマウントを取ってくる方がいますが、そういった人の土俵に上がらなければいいだけの話です。

私は以前、「土俵に上がらないと逃げていると思われるのではないか」と思っていた時期がありましたが、とんでもない誤解でした。
むしろ逃げられたと思われたところで私自身、なんの損もありません。

親でも家族でも親友でも職場の同僚でも、「信頼できる人がそばにいる状況」がメンタルリッチに物事を行うことができる最善の状況なのではないでしょうか?

⑧「状態を客観的に意識して、意識をそらす」ことが本当のポジティブシンキングの第一歩

私自身、ネガティブな人間だと思います。正確に言うと「ネガティブな人間であることを自覚して、ポジティブに生きている」です。

この文節は心に刺さりました。自分の考えが肯定されたような気分になったのです。

そもそもネガティブな状態になっている人がムリにポジティブになろうというのは自己矛盾を引き起こし、かえって自分のネガティブさに気づかされてしまいます。そして、よりネガティブ思考を深めてしまう原因になるのです。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

ネガティブな状態のときは、思考を変えようとはせず、まずは「ああ、今ネガティブだな〜」と認識するところから始めてみてください。
このとき、その状態について「いい」「悪い」の評価はしないでください。何なら自分を三人称に置き換えて、「ああ、彼は今ネガティブだな〜」という状態をそのまま描写して、思考をさっさと別の方に持っていく習慣をつけていきます。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

「自分の感情に素直になる」って言葉で書くと簡単ですが、実際やろうとすると難しい。

自分の中で「自分はこうありたい」「自分はこういう人間なんだから、こんなことを思ってしまってはダメだ」というプライド的なものが邪魔をするかだと思います。
私自身がこういった人間で、自分のことがあまり好きではありませんでした。そのため20代までは自己肯定感が低く、どことなく自分が好きではありませんでした。

ネガティブな自分も自分だし、ポジティブな自分も自分。客観的に自分を見ることで(20代の時よりは見えているつもり)、自分で自分を受け入れられるようになりました。

⑨変わらないものを変えたい、変わってほしいと考えることは、時間もエネルギーもムダにしてしまいます。それよりも、自分の受け止め方を変えるほうがはるかにカンタンで現実的

コロナが治まってほしい、職場で嫌いな上司の人間性が変わってほしい。誰しもが思うことですが、これは自分の力ではどうすることもできません。

自分の力でできること。それが受け止め方を変えることです。受け止め方を変えることは筆者が言うほど簡単なことではないと思いますが、自分の力で変えられないことを嘆くよりも、よっぽど解決策にはなります。

メカニズムがわからない、対処のしようが全くわからないと、不安はどんどん大きくなります。そして、わからなくて不安だから、恐れて拒絶したり、攻撃的になったりするのです。
しかし、脳は優秀です。「なるほど、こういう理屈で心の作用が起きるのか」と理解が進むと、ある程度客観的にものごとを見られるようになるのです。理性をつかさどる脳を働かせることで、感情をつかさどる脳をおさえることができるのです。
そうすると、心の許容量が増えていきます。自分自身のストレス状態も把握できるようになってきて、必要以上に考える時間が少なくなってくるでしょう。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

「まぁそういうもんだよね」という他人事的な感覚で、1歩引いて物事を見ることによって、客観的に物事を捉えることができるのではないでしょうか?

⑩幸せというのは複合的な要因でできていて、「こうすれば幸せになれる」という行動でカバーできるものではない

お金も趣味も人間関係も、何かで満たそうとするのは一種の逃避に過ぎないということですね。
人間は比較する生き物なので、「誰より上だから幸福」「誰より下だから不幸」といった相対的な幸福も本質的なものではないと筆者は述べています。

まさにその通りですね。「出世すれば幸福」「年収が低ければ不幸」。
そんな簡単なものではありませんが、「どうすれば幸福になれる?」という問いかけの答えは難しいですね。

ラクなことや嬉しいことだけを経験するのが幸せなのではありません。さまざまなことを経験し、多様な感情を味わいながら、あるがままを受け入れていくことが究極の幸せであるとこの研究では報告されています。
ビートルズの名曲「Let It Be」。「あるがままに」などと翻訳されていますが、今ここにない何かを求めるのではなく、事実や感情をそのまま受け止めることから幸福の本質的な意味が見えてくるということでしょうか。

THINK  SIMPLY 最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方 堀田秀吾著

「楽だな」とか「楽しい」という感情や出来事って最初はいいんですが、すぐに慣れてしまって「もっともっと」と欲しがりになってしまうと思います。

「悔しい」「悲しい」という感情や出来事があるから、「楽しい」「嬉しい」という感情も大きくなるのではないでしょうか?

3.たけぞー的まとめ

・行動の動機は恐怖によるものが多いが、95%のことは事前準備で対処可能

・選択の結果に意味はなく、決定したことに意味がある

・幸福には人間関係が大きな影響を与えるが、他人を変えることは難しい。
それよりも自分が変わることで自分自身がポジティブになることができる(具体的には他人に親切にしたり、自分の受け取り方を見直したり、自分の状態を客観的に見たり等)。
また、そういう状態になれば返報性の原理等、いい人間関係に巡り合うことができる。

・幸福に必要なことは心身が集中することだが、良い体験だけでなく辛い体験や悲しい体験など様々な経験を経て、事実や感情をありのままで受け入れる(または客観的に自分を見る)ことで幸福度が増す。

4.最後に(どういった方にオススメか)

というわけで本の紹介をさせていただきましたが、読み手によって感じ方は人それぞれだと思います。実際、筆者の言いたいこととは別の解釈をしてしまっているかもしれません。

あくまで私、たけぞーが感じたことを書かせていただきましたが、個人的には共感する部分が多くてあっという間に読完してしまいました。

「一歩が踏み出せない」「ネガティブ思考から脱却したい」「他人にどう思われているか気になる」こういった悩みを持った方にはオススメだと思います。気になる方はぜひ、手に取って読んでみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。





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