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映画「マルサの女」の感想

オススメ度🌟🌟🌟🌟🌟
総合評価 4.1
ターララ ターララ ターラ♪

法に隠れた悪しき金を取り締まる国税局に勤めるマルサの女こと板倉亮子の活躍を描く。

いや~面白い!伊丹十三監督の凄い所って現実ではシビアな社会問題を上手くエンタメと組み合わせる手腕とか着眼点なんですがこれも極めて来ましたね。

脱税者VS国税局の攻防はテレビとかで特集を組まれててそれで見たことあったけどこの映画で描かれてるのはそんな断片的な物ではなくてまさに銭の戦争ですよね。マルサ側は脱税者を追い込む為なら調べれる記録は全て調べあげるし何時間でも張り込むし相手の言葉の裏をかくのも忘れない。果てはそこに証拠があるならゴミ収集車まで調べる攻めかたのエグさ。対する脱税者達も負けてなくて見てるこちらもびっくりする様なあの手この手で逃げ切ろうとするわけですがみんな悪人なのになんか人間臭くて魅力があります。

特に山崎努さん演じる本作のラスボスである権藤。稼いだ金をごまかす為なら手段を選ばない悪人ながらも不器用なりに子供を愛している父親としての側面も持ってます。主人公の板倉との攻防の中にもそういう人間的な1面を見せる部分はちゃんとあって金の不正に関しては対立しつつも1人の子を持つ親としては共感し合う二人の姿はパッと身だけではわからない人間の多面的な魅力があって映画の中のドラマ性を引き立ててました。

伊丹十三監督って単なるわかりやすい勧善懲悪だけじゃなくてこういう社会の中の辛さとか人間が生きていく上での理屈じゃない辛くて厳しい現実にも嘘をつかないし隠さないから共感が持てます。最後は言って見たら国にお金を納めなきゃ行けない人達の怒りの叫びとそれを受け止めた板倉のなんとも言えない表情で幕を閉じるわけですがここから続編の2にどう繋がるのか楽しみです👍️

これは完全に余談になりますが小学生の頃に同じクラスだった子達と複数で喋ってた時にその場にいた子に今日奢ってよって言われた子が「うちのオカンはマルサの女って言われてるからアカン」って返してた事があった。あの頃はみんな意味がわからなくてポカーンとしてたけど大人になって今思い返してみたらあいつこんなネタどこでしったんやろか?「笑」 

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