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#72 就活マインドをインストールする

2月8日。月曜日。今日は、充実した1日を過ごした気がする。おかげで今は、いい気分だぜ......

今日は一日、就活のことを考えていたので【就活マインドをインストールする】ということで。就活のマインドを、インストールしようとしてきました。その話をします。

今日の記録

8時半、起床。今日はやたらすっきり目が覚めた。朝食、のち、バイト。月曜の朝からバイトや。

バイト中、暇。1個下の後輩と、就活や研究の話など。就活、やらないとなあと目覚めた。13時バイト終わり。昼食など。

14時から、M2の先輩と雑談。ここでも、就活や研究の話など。就活、やらないとなあ、いややったるぞと覚醒。図書館に行ったり、キャリアサポートセンターに行ったり。今日はその辺の話をします。

就活マインドをインストールする

(5000字ぐらい、長いよ)

ともかく、2月と3月は就活に集中しようと思った。というのも、将来のことはやはりちゃんと決めなければならないし、よくわからん企業に入って、よくわからん組織体制に絶望し、よくわからんパワハラを受け、よくわからんままに辞めていくというルートは避けたかったため。最近、入社1年目で会社辞めたという人の記事を読むことが多く、僕もなんか危機感を持った。

で、就活に集中する以上、就活マインドをインストールしないとなと思った。CD-ROMを読み込むように、一般的な「就活生」の思考様式を取り込もうということ。何を言っているかよくわからないかもしれないが、実は僕もよく分かっていない。スタバでバイトリーダーかつ教科書の販売実績全国3位のきゃぴきゃぴ就活生になりたかった(なれなかった)。

キャリアサポートセンターに行く

ひとまず、図書館の就活コーナーでも見てこようと思った。僕が以前いた大学では、中央図書館に就職本コーナーが設けられて、就活情報が拾えるようになっていた。一般的就活生が読むような本を漁ることで、そのマインドを手に入れようということ。で、京大図書館にも似たようなのはあるだろうと思い、附属図書館に行ったのだが、なかった。さすが京大。隣にキャリアサポートセンターがあると聞いたので、そちらに行く。

キャリアサポートセンター、昔はその名前の響きだけで発作が出たものだが、今日は大丈夫だった。お目当て通り、大量の就活本あり。3冊まで借りられるとのことで、じっくり選ぶ。いろいろみるが、驚くことに、面白そうな本が全く、全くない。例を挙げると、

こういうの多し。

どうにも、「無敵」だとか「最強」だとか、大げさな表現が付きすぎている。こういう本が信用ならないのは、受験時代に経験済みである。「最強の英単語!」とかいうタイトルの本は、だいたい面白くなかった。実際に手に取ってみても、書いてある内容は、あんまり面白くなし。どれをとっても判で押したように似たようなことが書いてあった。

いろいろ悩んだけれど、最終的に以下の3冊を借りる。

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石渡嶺司(2012)『大学の思い出は就活です(苦笑)』ちくま新書
杉村太郎・熊谷智宏(2020)『絶対内定 2022』ダイヤモンド社
田中研之介(2018)『先生は教えてくれない就活のトリセツ』ちくまプリマー新書

基本的に、ちくま新書を信じました感が強い。石渡『大学の思い出は就活です(苦笑)』は、タイトルが面白いなと思ったし、一般的就活生のマインドを学べそうであった。杉村・熊谷『絶対内定 2022』は、なんか2022年で絶対内定なら安心だなという安直な気持ち。田中『先生は教えてくれない就活のトリセツ』は、Amazonで評価もよかったし、比較的最近の本なので。

これらを読めば、僕も立派な就活生になれる気がした。目指すべき目標、そこに向けての対策、日々の心の持ちよう、その辺がわかるということ。「本が読める」というのは僕の数少ない長所であるため、そこは活かすべし。
で、3冊ともざっと目を通したので、今日はその感想など。

① 石渡本の感想

本書の後書きでも書かれているとおり、一言で言うと「ふつうの学生生活を送れば就活も上手くいく」という話。ただ、大学生の思っている「普通」と、社会人の認識の「普通」はズレがあるので、そこは注意しましょうと説かれている。ぶっちゃけ、本当にそれだけの話で、あとは大学生活の心構えが書かれていたりする。ほとんどが常識的な話なのだが、その常識が大事ですよと言いたいのだと思う。

著者の石渡嶺司はジャーナリストをやっている人。で、過去に西村博之とも対談したらしい。その様子は今もネットで読める。まあ、その様子を見るのが、この本の雰囲気を知るのに一番なんじゃないかと思う。

正直この本、あんまり面白くなかった。というのも、著者が所々で「ウケ」を狙ったことを書いているのだが、それがとにかく面白くないため。あと、やっぱり一般論に過ぎないよなと思うところ多し。2012年出版で、ちょっと賞味期限的にもあれ。これを読むなら、この間出たばかりの同著『就活のワナ あなたの魅力が伝わらない理由』の方がいいと思う。1月21日に出たばかりで、例のウイルスの話題にも触れているとのことなので。

② 田中本の感想

これは、今日で一冊読み切った。1日で新書を読み切るなんていつ以来か。

1冊目の石渡本は、ちょっと斜に構えている感が強かった。「バイトリーダーやってました」「サークルで主務やってました」なんてエピソードはつまらないよ、的な。で、こっちの田中本は、かなり優等生という印象。確かにバイトリーダーエピソードは普通に書いてもウケないが、ちゃんと適切な形に直せば通りますよということが丁寧に書かれている。

で、この田中本、面白い点多し。例えば、参考になった点としては、「内定をゴールと捉えず、その先のキャリアプランを練って置くべし」というもの。長期的な視点を持てと。これは確かに他の本でも書かれていることなのだが、他の本だとちょっと説教くさいのに対して、こっちは「長期プランで見た方が、あなたにとっても目指す企業が明確になりますよ」というアドバイスになっている。そこがよい。僕ももっと、人生設計を組まないとなと思いました。

あと、途中で出てくる「就活力」という言葉も面白い。就活力、と言われて僕が真っ先に思いつくのは、めちゃくちゃインターン行っているだとか、グループディスカッションで話すのが上手いだとか、そういう「自己アピール力」的なものである。が、ここでの「就活力」は、業界を分析する能力と捉えられている。電車の移動中とかちょっとした隙間時間にも、企業ごとの規模や序列、事業戦略やIR資料をチェックしたりなど、情報を集めると言うこと。IR資料というのは、企業の動向がわかるなんかすごい資料らしい(参考)。
こういうこまめな情報収集こそが就活力なのだと言われると、キラキラきゃぴきゃぴライフを送っていなかった僕も、若干自信が持てる。

・・・ただし、面白いなと思えたのは、第1章の話までであった。というのも、第2章以降では、実際のESの設問と、それに対する実際の学生の回答(いい例も悪い例もあり)などが出てくるのだが、それがなんとも、「就活だなあ」という匂いを感じるため。もちろん、就活のマインドを探しに来ているので、そこに文句は言えないのだが。ただ、あまりに、典型的な就活像が提示されていて辟易するというか。「そうそう、就活のこういうところが嫌だったんだよ」というのをまざまざ思い出し、そこでの乗り越え方も、ザ・就活チックなものであった(上手く言えないが、優等生的すぎるというか)。

例えばESについて。やはり「目を引く」回答を書けと説かれている。嘘はつかなくていいとされているが、それでもやっぱり人事が取りたくなるように「よく見せる」ことは必要とのこと。だから、誇張にならない範囲で着飾りましょうと推奨されている。

その典型だなと思ったのが、ESにおける「短所」の書き方である。短所を聞かれれば、僕だったら正直に、自覚している悪癖をつらつら書くと思うのだが、それはどうもよくないらしい。というのも、聞かれているのは確かに「短所」なのだが、それをいかにポジティブに捉えるかが問われているとのことであるため。模範解答として挙げられているのは、↓のものなど。

短所:明確に意見を述べすぎることが短所です。私は常日頃から論理的な思考をもとに的確な判断をしていくことを心がけているので、自分の意見をはっきり伝えます。ですが、大切なのはチームワークです。チームメンバーの意見に耳を傾け、アイディアを上手く引き出しながら、集団での最高のパフォーマンスが発揮できるようにしていきます。チームのインタラクティブなディスカッションを引き出す指揮者的な役割を担っていけるように、この弱みを強みへとかえていきます。

いや、率直に短所の話をしろよと僕なら思ってしまうのだが、このESの通過率は9割超であったらしい。著者自身も「巧みな記述だ」と褒めている。でも、これが本当に正常なコミュニケーションか、という疑問を感じてしまう。あと、短所も含めて人間じゃい! という気持ちもあり、それをいかに隠すかに終始するのはなあと。ただ、これぞまさに就活様式、あるいは就活マインドというか、、、つまりそれを習得しろという話なので、文句言っても始まらない。

あと、引用してみて気づいたが、上の回答は就活でありがちな「横文字をやたら使う」も満たしている(インタラクティブなディスカッションとか)。ただ、なんだかんだ言って、こういうのがやっぱり評価されるんかなあと。爽やかなまっすぐさがよいということ。我々、そういうの、馬鹿にしがちなんですけどね。よくないですね。

他に田中本で気になったのは、とにかく「就活推し」の主張である。この本では大学1年から就活に取り組むことが推奨されている。いや、正確には高校3年生か。というのも、大学に合格してから入学までの間に、ESでよく聞かれる質問をチェックしておけと言われているからである(84頁)。そのほかにも、社会人と交換できるよう、大学生のうちから生協で名刺を作っておけだったり(156頁)、できるだけ早い段階で、「学生」としての意識を捨て、「社会人」としてのマインドを手に入れろとか説かれている(174頁)。できるだけ早い段階とは、学部2年生とされていて、学生気分は初年次だけで十分とのこと。

次の記述も印象的。「大学は社会の荒波からあなたを隔離して四年間という時間を与えてくれます。ただ、その四年間大学の温室の中に身を置いていると、社会に出る前につまずいてしまいます」(156頁、強調は引用者)。どうにも、大学を就職予備校のように捉えている節があるというか、社会に出るという目標が先にあって、学問はその手段に過ぎないように感じられる。ただ、そこにはちょっと、コミットするのが難しい。この本の終盤では、大学の学問は就職してからも役に立つということが説かれている。それは僕もそうであってほしいと思うし、そうあるべきだと思う。のだが、あくまで就職のための「手段」や「トレーニング」としてしか大学の学問が捉えられていないことには、だいぶ違和感があるという話。

要するに、「就活」への懐疑はほとんど取り扱われていなくて、そこに乗れることが前提であった。「いかに就活を生き抜くか」という、苦行的な視点はあまりない。そうではなく、「いかに学生から社会人へと羽化するか」という、そのマインドセットが説かれているというか、、、上手く説明できん。社会人ってそんなに綺麗なものか? とか、そこに懐疑的である学生に就活の希望はないのか? という疑問はあり。その点、まだ斜に構えている石渡本の方が、共感できるところは多かったというか。
まとめると、これを「就活マインド」としてインストールするのは、、、 人格プログラムに結構メスを入れないとなと思いました。

③ 絶対内定 2022

口調が嫌だ。自己分析を「我究」と表しているのもなんか嫌だ。よく見たらAmazonレビューも散々だし、そこで言われていることにもかなり共感できる。以上。


* * *

というわけで本日は、就活関係の本を読んで、そのマインドをインストールしようという話でした。その試みは、まあ、失敗しました。やっぱりね、乗るのが難しいことですよ。価値を感じにくいことが多くて、知れば知るほど嫌いになるというか

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田中本にあった、ESの設問例一覧。その中に、「今の心情を川柳で表現してください」というのがあった。このまま行くと、「あはははは こんなES なんのため?」とかになりかねない。ただ、就活を控えた2月、今更そんなことも言っていられないのだけれど、、、本当に。

わーっと書いたので、あんまりまとまりないけど、今日はこんな感じ。就活マインド、まだまだ全然乗り切れないと言う話でした。面白くない本も多いので、「本が読める」という長所も活かしにくし。誰か、「この本面白い」というのがあれば、是非教えてください。切実に。ちなみに田中本は、いろいろ書いたけど普通に面白かったです。参考になりました。おすすめです。

これも今Kindleで読んでるけど、面白くはない。以上。


おまけ

取り上げたかったけど、時間なかった。この記事はガチで必見。特に、きゃぴきゃぴしたことがないよという人向け。参考になる。面白い。