見出し画像

【日記風小説】4月4日 胸中の手記 恋心よりも日記の時間。

pixabayの12781813さんの写真に文字を乗せたもの

 4月4日 木曜日 曇り

 日記。それは重要です。わたくしのように、人を動かすよりも自分を動かすことが必要になっている人間にとっては、感じたことに忠実になる時間もまた重要です。
 たとえば、そうする時間もないまま合羽を着て仕事に行くとね、この、仕事に行くのに合羽を着ている時の自分の考えがわからない。

 雨の感覚も飛ばして、時間のために走って、理想を忘れた感じのまま、寝てしまっている、疲れて寝てしまっている雇い主を起こして、音が流れ、歌っても自分が見えず、人の声の中にも真実を見つけられなくなり、自分が何のために言葉を発したのかわからなくなり、朝が来て、空が曇っていて、曇った空の向こうから光が通り抜けて町に届いて、わたしの目にも届いているところでやっと日記の心になった。

 そのように、感じたということを残せる日記の時間なくしては、わたしは恋に遭難した船と同じになってしまうから、恋心より日記の時間。
 真実を見る時間が重要です。

難しいです……。